第18章 絶対安静
フィン「…ケイト、君が欲しい」
ケイト「ぶふーっ!!
!!?/////
一体、何を言って!?//」
諦めたくはなかった。この恋を。
今を逃せば二度と得られないと、心だけでなく親指までもが疼いた。
野望以上に、身を焦がされた。心はそれ以上に。ただただ、ケイト一人を求めていた。
人生で初めて憶えた『恋』という感情、『種の生存本能』とも言えるそれに僕は容易く振り回された。簡単に煽られた。
人間の三大欲求は「食欲」「睡眠欲」「性欲」がある。
修行僧の下での修業(629ページ参照)を経て、身体だけでなく『心』もまた鍛え上げられたことで、ある程度の感情は律せるようになった。
野望を果たす為にも冷静に徹し、制御できていた。
面白味もないと、生意気な小人族と言われることも間々あった。
それほどであってもなお、人生においてそれまでに全てをそれに懸けてきた『野望』でさえも…それらは全て、簡単に覆されてしまった。
ケイトと出会う前までの僕なら、ケイトに恋をする前までの僕ならば
『一族の再興だけが目標だ』と迷わずに断言していただろう。何よりも野望を優先していただろう。
けれど、知ってしまった。
知ってしまったからには、もう後には引けない。
今は…一人の男として…夫として、生涯を共に遂げる伴侶として、『ケイトとの子供が欲しい』と強く焦がれていた。
フィン「君との子供が欲しい」
ケイト「!!!??//////(ぼぉんっ!!)
食事中に言うことじゃないよね!?////」
フィン「ああ。でも止められない//」
ケイト「はい!?///
でも絶対安静で、行為なんて出来るほどじゃなくっt
フィン「だから!//」
ケイト「?//」
フィン「…だから…ロキ・ファミリアのホームに帰った日の晩、用意していて欲しい//」
そう勇気を振り絞って言うと…
ケイトもまた、小さく消え入りそうな声で「うん//」と言い、頷いてくれた。
?それにしても神フレイヤは何故静かに?
そう考えながらふと目を向けてみると、凄まじい勢いでペンを走らせて残していた。
フィン「…勘弁してくれ////;」頭抱&嘆息
フレイヤ「ふふふっ//
大丈夫よ//
永久に誰にも話さないまま残しておくから///」恍惚笑み
フィン「残さないでくれ///;」←がっくりと項垂れた