第18章 絶対安静
実際、ろくな目に遭わされてこなかったのだから『街の人達』には見せないのも当然だとも言える。
心をそれほどまでに開いてくれている証拠とも言えるわけで、開くまでが大変だが開いた後は基本そのままで、余程のことがなければこの態度を変えたりはしないだろう。
ケイト『好きー好きー好きー//♪』
そう言ってくれるほどに心を開いてくれた日が、とても嬉しい。
過去を理解して、その上で受け入れただけなのだが…
どうやらそれさえも初めてらしく、街では育ての家族以外一人もいなかったということから、今では好きというオーラばかりが向かってくる。
その様はまるで無邪気な子供を想起させるほどの純粋なもので、和む。
とにかく愛しい、可愛い、抱き締めたい、とさえ想わせるほどのものだった。
それもまた、神フレイヤも抱いていた考えらしい。
フィン「しかし、ケイトにとっての龍の力が『始祖神の力』ならば
何故神の力を察知した迷宮は異常を発生させない?」
フレイヤ「それは恐らく始祖神だからこそよ。
全ての『始祖』なのよ?
迷宮にとってもそうなのでしょう。世界の全てを作った、力の源なのだから」
フィン「なるほど」
そう納得する中、ケイトが一度だけ目を覚ましてから後の夜中
目覚めたという報せに見舞いへ慌てて飛んできたガレスやリヴェリアと話した時の内容が頭に浮かんだ。
フィン『今後も共に居るとして、妊娠させた後が問題だね』
ガレス『ほお。それは何故じゃ?』
フィン『いつも抱き締め合って寝ているからだよ…
もしお腹に足を乗せてしまうようなことがあれば、子供にもケイトにも顔向けできないからね』しみじみ溜息
ガレス『普通はそこまで気にせんと思うがのお』
フィン『万が一もない方がこちらとしては嬉しいんだ。
そこまで神経を図太くは持てない』
ガレス『よく言うわい』嘆息
リヴェリア『喧嘩の仲裁にかけてきた言葉を思い返せば、それ以上の神経のようにも思えるのだがな?』じろり嘆息
フィン『…そこは…うん、忘れてくれ』苦笑
ガレス/リヴェリア『『無理じゃ/だ』』
フィン『やれやれ^^;』
ガレス『正確にはケイトと過ごす内に変わったんじゃろうが』
リヴェリア『女性の扱いはそれなりにいいとしても、やはり野望の為に利用しようとしている魂胆が見え隠れしていたというのにな…』
