第18章 絶対安静
その後、通信機から連絡が来た。
どうやら毎日働き詰めなことを心配してくれているようで、『今日一日ぐらいは一緒に居てやったらどうだ』とのことだ。
フィン「なら『鍵』だけでも渡してくれ。
ケイトにそれに縁のある人達を魔法で絞ってもらう」
リヴェリア『無理だ。
そもそも今のケイトの魔力は10万分の1にも満たないだろう。
魔法を使う余力さえも今のケイトにはない。
休日も無しではいつか倒れる。倒れてからでは遅いだろう?』
フィン「見抜かれてた、か…)
そんなにも疲れてるように見えたかい?」
リヴェリア『働いている時間を考えてもみろ。
あの書類の量から鑑みても、最近寝れてさえもいなかったはずだ』
フィン「最近はね。今日はきちんと寝たよ」
リヴェリア『それでもダメだ。今日一日だけは平穏に過ごせ。
遠征のあの日から、まともな睡眠も休みでさえも取れてないのだろう?』
フィン「ああ…ケイトが起きた時、最初に見るのは僕でないとね」
リヴェリア『そうして根を詰め過ぎた結果がこれだ。
「いい加減休め」という皆の総意でもある。
こちらのことはこちらでやっておく。だから休め』
フィン「…はあ…ただでさえ、他ファミリアのホームで肩身が狭いというのに
リヴェリア『ケイトはもっと狭い思いだと思うが?三日もだ』
フィン「そうだね…
ケイトはまだ次の日も居なくてはいけないし、そのさらに次の日も朝10時まではここにいなくてはいけない」
リヴェリア『何もずっと休めというわけではない。今日だけだ。
それとも何か?
団長であるお前は、皆の『好意』を甘んじて受け入れることもできないとでも言うつもりか?』
フィン「わかった。休むよ」
リヴェリア『ああ。ならいいんだ。
フィン』
フィン「ん?」
リヴェリア『忘れるな。
お前を心ごと支えられるのはケイトしかいない。
それと同じように、ケイトもまたフィンでなければ言えないこともある。
支えを失った心がどうなるか、支えが元より無かったケイトには特にきついだろう。
支えのある今に、慣れさせてやってくれ』
フィン「ああ…わかっている。
二度と、あんな思いはさせないさ」
リヴェリア『……ならいい。
お前自身も疲れているだろう。労わってもらえ、存分にな』ふっ
フィン「もう既に癒されてるよ^^//」くす