第18章 絶対安静
フレイヤ「そうそう。
言い忘れていたけれど、始祖神の崩御の際にはゼウスとヘラが立ち会っていたらしいわ。
人の形をした小さなそれを一つの魂として、他の魂に混ぜたと…
たまたまそれを目撃したのが龍神で、この情報が確定したのよ。
聞いた時には驚いたわ。
でも、同時に納得もした。
これほどに強く惹かれ、想い焦がれるのもまた、私の魂に関わっているのでしょうから」
ケイト「…どうしよう;」
フレイヤ「?どうしたの?
私なら平気よ?どんなあなたでも愛しているから」ふっ
ケイト「そうじゃなくって…;」
フレイヤ「?何か問題でもあるの?」
ケイト「その…こんな多大な情報量、一体どれだけの対価を渡せば;」たらたら
フレイヤ「だからこその3日間独占タイムじゃない^^//♪」にっこり
ケイト「え?;」
フレイヤ「『鍵』もあるけれど、私があなたに情報を与えたのはそれだけじゃない。
あなたの命、身体に係わることだから」
ケイト「ぴくっ!!)!!」瞠目
フレイヤ「その様子だと気付いたようね…
そう、あなたが引き出している『龍の力』は魂の力。
つまりは…『始祖神の生まれ変わり』としての力。
龍を圧倒できていた理由…
いえ、龍は龍でも三大クエストの最後のモンスター「黒竜」を打ち倒したのだから」
ケイト「ええ!!?;
あ、あの…ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアが合同でも倒せなかった、あの?;」
フレイヤ「ええ。階層主と呼ばれるそれの中にいたわ。
光と共に消し去られていくそれは見事としか言いようが無かった。
既に英雄譚の中でもあなたが倒したモンスターについて公表されていたわ、第二版でね。
それも単独での撃破。
ゼウス、ヘラのファミリアが黒竜に残した『片目の傷跡』も一致し、ギルドもまた正式に認知した。
もお~っ。ますます惚れちゃいそう^^//」悶
ケイト(そんなこと言う神(人)だったっけ!?;)
両頬を両手で押さえつつ身をくねらせて悶えるフレイヤ様に、私は唖然となりながらも聴き入るばかりだった。
それと同時に理解した。
私にとっての『龍の力』とは、『始祖神の力』の一端。
そしてクリエイトの力は…前世の足軽の時は持って生まれなかったはずだ。
だとしたら……これは、今までの試練は…全て、神の力を開花させる為に用意されたもの?