第18章 絶対安静
フレイヤ「普通の人間はね、複数の意思があることには耐えられないのよ。
ただでさえ魂と霊体の二つがあるのだから」
ケイト「うん…
霊体は今世での経験を経た上で得た考え方、在り方、人格のこと。
魂は今世で生まれた時に宿す、本来の性格や本質を持つ『核』みたいなものだね。
早い話、RPGのプレイヤーを動かしてるのが魂で、RPGで生きてる体が常識学んで考えを有した霊体。
霊体の頭の内に魂がある感じだよね?」
フレイヤ「ええ(こく)
霊感があるとは聞いていたけれど、話が早くて助かるわ」
頷きながら足を組み、妖艶に笑った。
何か…一々所作がエロいと思ってしまう自分はおかしいのだろうか?//;
フレイヤ「普通の人間は、早々魂の意思を感じ取ることなどできない。
よしんばできたとしても意思を感じるというだけ。
どれほど頑張ったとしても、その魂が持つ力を引き出せはしないわ。
でもあなたができているのは…『龍の遺伝子』に他ならない。
そして精霊から寵愛を受けてその性質を発現した時点で、あなたは他の人とは一線を画した。
精霊寵愛で一瞬で治るギリギリの範囲まで…それは最早、人と呼べる範疇を超えている」
ケイト「…化け物」
フレイヤ「そうね…
他種族でありながら、ヒューマンのように身長が伸びた。
それは…心のどこかで、伸びたいと願ったことが起因しているはずよ。
隔世遺伝と言っても、それには限度がある。ましてや2800年前のそれなんてね。
少なくとも小人族の体のまま、他種族のそれを引き継ぐことなんて出来ないはず。
そして精霊が叶えられるのは、本人の望むそれまで。
精霊寵愛として契約したことから、あなたの意思に反することは無理」←59ページ参照
ケイト「!」
フレイヤ「そう聞いたわ。
あなたの身長が高いのは、小人族という種族でありながらヒューマン並に大きいのは…
きっと、育ての家族に気味悪がられたくなかったという気持ちからのことなのでしょうね」
ケイト「!!……そうかもしれない」
フレイヤ「話を戻すわね?
今、あなたの中には三つの独立した意思がある。
あなた、精霊、そして龍。
その龍は、あなたの魂の意思の顕現であると同時に、『始祖神』の力をも引き出す」
ケイト「シソ?」首傾
フレイヤ「…;
わかってないのね;」汗&困り顔&嘆息