第17章 雨
ケイト「イシュタル・ファミリアが利用してたのは、パワー・ブルみたいなデミ・スピリット。
イシュタル様は女王になりたがってたから、多分フレイヤ様を潰す気だったんだと思う。
その為のモンスターを私が倒した。
おまけにクノッソスも使い物にならない、旧式の地下水路のそれも見張られてる。
そんな状況に追い込まれれば…余裕を無くしたそれの怒りの矛先はどこへ向く?」
ティオネ「なるほど。倒したケイトの方へ向くわけね」
ティオナ「でもそれだけじゃないんじゃない?」
ケイト「うん。私の次に成長が早いのは誰か?
多分それは…ベルだと思う。引き込むのを狙いつつ、私の命まであわよくば狙いだした。
イシュタル様がベルを寝取ろうとしていること、そして私の命を取ろうとしていること、それらが逆鱗に触れて知るや否や眷族達を総動員して自ら出向いて歓楽街に侵攻して、イシュタルを天界に強制送還した。
…んだと思う?;合ってるかな?」
ロキ「おおよその流れはそれで合ってるやろ。
問題は、フレイヤが『3日で』ケイトに『何をしたいか』、や」
ティオナ「そう言えばデートしたがってたんだよね?
もしかして同棲してみたかったんじゃない?」
ロキ「そんな単純なもんやったら最初からこんなに苦労せんわ」けっ
ケイト「んっと…私としてはできれば敵対したくないし、敵は少ない方がいいでしょ?」
ロキ「いつ背中からぶすりと刺されるか堪ったもんやないわ;はあ~あ」嘆息
フレイヤ「随分な言われようね。
そんな無粋なことはしないわ。ケイトに嫌われたくない、そう言ったでしょう?」くす
ロキ「で…?
何でここにおんのがわかっとるんや?;」
フレイヤ「騒がしい声が聞こえてきたもの。
それに…
お別れは済ませておいた方がいいでしょう?」微笑
ぴくっ!!
ぎろり
次の瞬間、今生の別れと捉えかけたロキ・ファミリアの団員達が眉間に皺を寄せながら身構え、揃ってケイトの前に立って神フレイヤを睨み据える。