第17章 雨
ロキ「何を考えとるのかまでは、結局話しちゃくれんかった。
でも…ケイトに何か聞きたいことがあるんかもしれん。
意識取り戻して早々手間かけさせんのもあれなんやけど、済まん!(両手合わせ&頭下げる)
それだけは言わせてくれ」
ケイト「顔を上げてよ、ロキ。
鍵が手に入ったんなら、あともう一息じゃん。
それで全員を捉えられる。ダイダロスの末裔だって捕らえられる。
その3日で長年の終止符を打てる期間が縮まるのなら、それに越したことはない。
だから、謝らないで?
すっごく進んだじゃん!
後は読み取って、居場所を感知するだけ!一網打尽だよ!!」
リヴェリア「問題は、何を聞かれるのかだ。
ただでさえケイトは元より嘘を付けない。
ヘレイオス街での道中のそれを聞くつもりか?」
ロキ「いや、そうやないっていっとった。
…恐らく、これは勘やけどな。
アルルェーチェのそれを知っとるかもしれん」
『!』ピクッ!
ケイト(何で古株が揃って反応してんだろ?;
瞠目しながらも勘繰った目つきになってるし…;)
ロキ「街の名前だけで、英雄譚アルルェーチェを知っとる奴はすぐわかってまう。
ヘレイオスはペルセウスの子の中でも影が薄い。
滅んだ国でも領土は隣国が取り込んどるらしいし…
下手をすればゼウスの後胤としてどんな目に遭わされるか」
ケイト「あのさ、一言言ってもいい?」挙手
ロキ「ん?どないした?」
ケイト「フレイヤ様は、私のそれにもう気付いてると思うよ。
オッタル達を倒れてた私の下で付きっ切りで護衛させて、借りを返したのだって…
結婚式の後で何かに感付いてた。街と森の名前を言った時点で…
朝に売り出される自分の英雄譚に書かれていた情報だったから。
刺激を求める神様としては面白がるだろうけれど、フレイヤ様はそんな眼をしてなかった。
なんか…益々愛しいと思うって…そんな不思議な想いばかりが向けられていた。
最初に目を覚ました時にはフィンがいたのに、次にはいなくて寂しかったなあ」
フィン「そこに関しては済まない^^;
色々と立て込んでいた」
ケイト「わかってる…」くす
それから話が本題へと流れていった。