第3章 家族として
精霊「その為に、私はこの子の為に武器を造ったのです。
育ての家族を殺されたあの日、誕生日プレゼントとして与えられるはずだった『オリハルコンのインゴット』から。
なので教えたとしても作れるものではありません。
そもそも《クリエイト》という魔法は、魔法そのものさえも新たに造るものなので」
椿「なるほど…《クリエイト》という魔法が無ければできんか…
そのような武器もあるのだな。うむ!勉強になった。
礼を言わせてくれ。ありがとう(ぺこ)
そしてすまなかった。そこまで詮索する気はなかった!(がばっ!」深々お辞儀
精霊「いいえ…私としては嬉しい限りです。
やっと…伝えたかったことを思いっきり話せたのだから^^//」
ケイト「…自分の、せいで…」ずうん
精霊「思い込まない」こつん←指でケイトの額を弾く
ケイト「でも!」
精霊「それを言うなら、あなたにありったけの寵愛を全て注ぎ込んで化け物にした私はどうなるの?」
ケイト「!」
精霊「実体を失うほどの魔力、その中に…私はあなたの深い感謝を受け取った。
あなたの温かさを確かに感じた。
だから…物心つかない当時のあなたと契約したことは、間違っていなかった。
あなたとの契約が、私にとっての誇りだから。
あの時、とっても嬉しかったんですからね♪」にっこり
ケイト「うるっ)……うん。
私も…精霊がせめて、護ろうとしてくれているからこそだって…わかってた。
だから…止めなかった。止めたくなかった。
街の人も、皆も…それで傷付けたくなくって。たとえそれで町の人の暴行を止めても、後で余計に強く当たられるから」
精霊「知ってる」にこ
ケイト「だから、今耐えてさえいればって…ずっと我慢してた。
でもその結果、私は精霊を傷付けてたんだね…気付けなくってごめん」深々お辞儀
精霊「いいえ。それも詮無いことです。
あ…そろそろ解けてしまうわね」
ケイト「その、ありがとう!
またちゃんと伝えてね!
冒険者になるのを勧めたり色んな情報教えてくれて感謝してるんだから!」
精霊「ええ。ではまた^^//」
そう言って、再び光へと変わっていった。
涙が頬を伝う中…強引に擦って拭った。
私は…自分の気持ちばかりだった。
周りの気持ちまでは、見えていなかった。
ちゃんと…見ようとさえ、していなかったんだなあ。