第95章 神(しん)
衰弱し切っていて、今にも消えそうなほどに弱り切っていた
なんとか分け与えることでケアした
しかし……
ケイト「大丈夫だよ^^
ちゃんとそういう人だって、分かってるから(微笑)
人の削った命も自我も記憶も、毛ほどの価値も無いとしか思われてないことも
自分の実在化の為に使われて当然だと思われてることも
自分がなんなのか分からなくなる事態に陥る光景に、笑うことでしか返さない感性を抱いてることも
そこまでされてまで、自分が実在化されて当然だと漠然と捉えていることも
みんな全部分かってるから^^」
傷跡は消えること無く、膿に膿を重ね
途方も無い傷跡の層となって、身を蝕み続けていた
ケイト「人の不幸が幸せなんだもんね^^
世界中の何よりも」嬉しそうに微笑み掛ける
大丈夫、ちゃんと分かってるよ^^
そう満面の笑みで朗らかに返すケイトに
胸が強く痛んだ
抑え込まれていた本音(闇)
それらが噴出していたのが見て取れた
言わずもがな分かった…
これまでの仕打ちが、失意のドン底へと叩き落としたのだと——
目を覚ましたケイトは…
自らと同じく…
自らの身を削ってでも守ろうとしてくれた同志を
同胞(はらから)と捉えており、身投げした恩人として捉えていた
それ以外には…原初の始祖神を支え、共に居た実在化に近しい1000人しか……
二度と生まれてこない、消滅することを引き換えに、自らを光に変え、原初の始祖神の寿命とした
少しでも削りを減らす為に尽力してくれた
それを除く存在は全て……
消す以外の価値は無いと、暴落していた
目を、瞳孔を、その奥に棲(す)まう魂が、白く発光していた
そして…それらを身投げした魂と入れ替え、消して回っていた
ケイト「安心しろよ…
これからは…ちゃんと自己防衛をする(消滅マーカー付け)からさ
犯罪者(連続殺害未遂者)さんよお」
黒く笑い掛けるそれに…
本当に…目が覚めたのだと思い知った
無償の愛
それは…無限等では無く、有限なのだと……
高を括って、いつまでも在って当然だと笑って…
感謝どころか、逆の全支払わせ浪費祭
それでは見限られて当然だろうに……
ずっと赤ちゃんのままの、堕落した中身空っぽ星人は全て——淘汰(全消滅)された…それを善と扱う嘆かわしい愚か者共も共に……全て同じ末路を辿った