第17章 雨
「人の話聞けよ!」どんっ!←ケイトを突き飛ばす
ケイト(もう…いいよ…
そっちが一番、聞く気もないくせに。
…高圧的にされたら、話せないの…知ってるくせに)
人は合わせろと言う。自分の声は遮り聞こうともしないのに言ってくる。
何度やっても伝わらない。意思も思いも全部伝わらない。
「謝れよ!」
ケイトには合わせないのに、周りは自分に合わさせて当然だと言う。
誰も合わせてくれる人もいない、聞いてくれる人もいない。
家庭環境に加えて、外での環境がそれとなった。
ケイトにとっては全てが絶望以外ないのに、さらに周りは自分達に合わせろと強要し続けた。
ケイトの環境や経緯や障害も全て、『それなんか知ったこっちゃない』とでも言うように。
悲観しているわけでもない。
独りきりのまま、そう促されたまま周囲からそういうことばかりされたことによる『当然の結果』だ。
ケイトは…そんな時間を長く多く経て、『死』だけを望むようになった。←(リアルでは24歳で人生初の友達ができるまでこんな状況が続いてた)
そんな風に纏めていく内、ふつふつと怒りが湧いた。沸き上がっていった。
皆も同じようだった。
それがどれだけケイトの人生を狂わせたか…十分過ぎるぐらい、わかったから。
そうして街への方針を固めた矢先に知ったのが、ケイトの脈が大分と落ち着いてきたという朗報だった。
真っ先に駆け付けようとしたんだけれど、アミッドに一週間面会禁止されてたのをリヴェリアに指摘された。
何度も心肺停止に陥ってるって聞いた。だから余計に感情が荒立って心配になった。
それでベートの暴言に苛立つのと一緒に、街の人達もまたもっと赦せなく感じた。
朗報を聞いた途端、ケイトにまた会いたいって強く思った。
でも快方に進んでることを聞いて、安心した。
ティオナ「ケイト…早く会いたいなあ…元気で、帰ってきてよ?
そしたらさ…いっぱい、お話ししようね?
言いたくても言えなかったこと、今なら言えるだろうから…私が、ちゃんと聞くから。
たくさん話そう。そして…飽きるまでいっぱい笑いたいなあ、一緒に^^//」くすくす
雨を前にケイトへ思いを馳せながら呟いた矢先、ティオネから招集がかかった。
アマゾネス達を救う為に援軍で行かないといけなくなって、私は雨の中を走り出した。