第95章 神(しん)
主犯格の癌に向けて発された言葉は…下記の通り
目の前で亡くした命を…
笑われ続ける痛みなんか、わかる訳ねえよ
奪う側、笑う側のお前等には……
同じ時に産まれて
魂の半分が『片割れ』という精霊となって
ずっとずっと一緒に居てくれた
守ってくれた
一緒に怒ってくれた
泣いてくれた
いつだって寄り添ってくれた
何度も何度も助けてくれた
笑って側に居てくれた
いつもいつも…一緒に居てくれた
乗り越えてこれた
(夕暮れの晴天の中、丘を走り、顔を見合わせて笑い合うナビィとケイトの姿が浮かぶ)
高め合った
競い合った
笑い合った
いっぱい笑って、泣いて、怒って、喧嘩して、ぶつかり合って、殴り合って、そのたんびに仲直りして、笑い合って…
大事な…大事な人だったんだ
家族で…
欠かせない相棒だった——
それを…笑われて当然?
十年間一度も思い出すことも思い返すことも無かったのに?
それよりもこちらの想いに寄り添え?
蘇りをふいにして、この十年自分を咎めも気にもせずに笑って生きてきた人間のつもりに?
家族も、相棒も、その想いも馬鹿にされて?
そんなものよりも、貴方の十年間の想いなんかよりも大事なものなんですよって言い聞かせたいって?
そんな命よりも、その対価の道筋の上で喪われていった命も、そんな価値ねえって?
たった一人の下級精霊(ナビィ)の命を捨てた守り如き、報いる価値なんか無いって?
対話がしたいんならそれまでの命全部蘇らせてから抜かしやがれ!!!!
出来もしねえくせに、これ以上何を求めるつもりだクズ野郎!!!!!
自分の支払うべき責任からも逃げて!罪からも罰からも逃げて!!罰後始末からも逃げて!!!対価からも逃げて!!!!
逃げる以外何もしてこなかった人間が!逃げられなくて、大事にされて当然だなんて、ふざけんのもいい加減にしろ!!!!!
これ以上求めてくんな!!!!!!(手を横薙に振る)
求める以外何もしてこない人間が…人間ぶってんじゃねえ!!!!!!!!
嫌悪以外、怨み以外…何も抱くものなんかあるもんか!!!!!!!!!!!
涙を流しながらの叫びに…
お前等皆同類だ!!同族のクズ野郎だ!!!二度と関わってくんな!!!という叫びに
彼等彼女等は攻撃しようとし、言葉を発する直前に僕等の手で皆殺しにした