第95章 神(しん)
正直に伝えた所で
そんなつもりはない!って泣き叫ばれるだけで
なんにもならないと、わかっていたから
自分はこんなに泣いていますよ?
反省していますよ?
どうです?いい人でしょう?
そう示されるがオチだと、分かり切っていたから
たとえ何をされても、腹が立つだけだったから…
慌てたように今更になって取り繕って
肩代わりなんかなんにも出来ないくせに
反吐が出る
全てを…
自分が払うべき対価(罰も責任も後始末)を、支払わせる為の道具としか
自分を善と思う為の、使い捨ての道具としか
思ってなんかはいない
その本性を覆い隠す為の、愛想良さに…天性のヒモに!!!!
待っていた…
ずっと待っていた…
信じて……
十年もの間、ずっと……
ずっと、見てきた
蘇らせたいと願う瞬間が…訪れやしないかと
地獄の苦痛の中で——
こっちはずっと待ってたんだ…
信じて…
ナビィが命を捨ててまで守った命は、そんなこと…しないって
そんなクズな命じゃないって
思い返すことも無い
思い出すことも無い
ただただただただ笑って、英雄譚に酔い痴れて
ずっとずっと笑ってた
知り合ってたった数か月の付き合いがなんだ?
こっちは十年も待った
自発的に蘇らせたいと願えると
そうまでしてまで救ってくれた、守ってくれた命を
そこまで蔑ろになんかはしないと……
決めたのはお前自身だ
私じゃない
その時点でもう…本質は分かり切っていた
腐り果てた本音も
何も要らない
支払い終えた後になってから喚いた所で、蘇りはしない
それまでに死んでいった命は……
対価を支払う上で、喪われた命は——
損なわれてしまった、道筋(笑い合える未来)は——!!
だから…ずううううううううううううううううううっと怨み続けてゆく
怨むよ
何が在ろうとも、全て虚無へと潰えようとも!!!!
たとえ何がどうなろうとも!!
二度と——同じことはさせない!!!!
たとえ何が在ろうとも…
死んだ後も…
必ず、死を呼び寄せる元凶だから!!
大事にしてくれる全てに対して!!!!!!!!
その叫びと共に涙を零し終え、前を向いた
拳を強く、固く、握り締め
意志を示し、強く発した
それに僕等は涙し、共感の嵐が舞い降りた
その姿を一目見んと集まった、神国民と共に