第95章 神(しん)
約束した…
ノアールが私の中に宿った時
彼女と、魂の中で指切りを交わした
私達と同じ想いをする人を、出させない
私達と同じ想いを、他の人達にはさせない!
その為に…全ての生涯を懸けると!!!!(瞑目し涙と共に叫ぶ)
道具のように捨て置かれ、扱われたナビィの為にも!!!!
その言葉に、想いに…涙を禁じ得なかった
流れ落ちる涙が止まらず、止め処無く溢れてやまなかった
アイズに至っては…あの時の私を殴り倒したい、とまで涙を流していた
言葉は続き…心底の想い、彼に対しての印象まで明かされた
只管擦り寄って、自分は責められる人じゃないと、好感を自らの罪と共に植え付けて回る
そればっかりの変わらぬ在り方に、憤りが止まずに居た
ずうううううううううううううううううっと怨んでる
それが確定化したのは…その時からだった
自分をいい人だと思わせて回って
沢山の人を、死に至らせて回って
自分の為に犠牲にして回って
それを素知らぬ振りで返す
ばっちゃんに聞いた時…
対価を支払う気が無いこと
蘇らせたいだなんて思ってないこと
その本質を知った
だから墓なんて作りたくないし
精霊は死ぬ時、空気に溶けて消えてゆくと聞かされていた
だから…気にしないでいいと
自分の命を大事にしろ
それで返せと
そう、養祖父から吹き込まれていた
巣は住めなくしたとは言え
寄ると危ないからと…
そればかりで
それを自分に都合が良いから鵜呑みにし
蘇らせたいだなんて、やり直したいだなんて
思うことさえ、願うことさえ、無かった
幼少期の時点で、人の本性は決まるのだと…
痛いほどに思い知った
蘇らせたいと思えば、いつでも話せるように術式を組んでいた
しかし…ついぞ……
支払い終える瞬間まで…
ずうううううううううううううううううっと
繋がることは、全く無かった
その時点で確定した
どんな存在なのかを——
どんなに大事にしても…大事にしてくれる人を蔑ろにする
背負いもしない
泣きもしない
引きずりもしない
背負いもしなければ
何もしない
そんな本性だと…痛いほど思い知った
哀しいほどにクズなのだと
痛いほどに、深く、深く、傷付けられながら——
だから…決めた
どんな事があっても…ずうううううううううううううううううううっっと怨むと——