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Unlimited【ダンまち】

第95章 神(しん)





落ち着いてから当時を尋ね

ケイトから独白された



信じたかった
好きになろうとした
努力した

大好きな人達が信じているから
好きでいるから

されたことさえ除けば、好きだと思えた

辛うじて(消え入りそうな声)

1033,1308,3628,4565,4566ページ参照


でも…出来なかった
嫌いとしか思えなかった

生き残る上で最低限のことしか、教えられなかった
必要以上のことは教えられなかった
教えたくなかった

死んで欲しいとは…思えなかったから

誰かが…喪う苦しみを、痛みを、味わうのは…堪らなく、嫌だったから(涙目、涙声で震えながら俯き、本音を零す)

833,1308ページ参照


大事な人達がどんどん喪われていって
亡くなっていって…

増してゆくばかりだった…
憎しみばかりが募っていった

5658ページ参照


ケイトを地獄に突き落とした元凶
地獄にする元凶(わるもの)!

そう言って憚らなかった
ノアールが…そう、憤ってくれていた

それを内心、薄々感じ取っていた

私のことなんて…忘れて……
ナビィのことも忘れて…
初対面のように接された瞬間

唾棄の如く、怒気を孕んでいた
これは何かあるなと思って
適当な理由をつけて断った

記憶が無くなっても…
そうなるぐらい

軽薄な人なんだとわかった……

3〜7ページ参照


命を対価にしてまで守りたい
そうまでしないと4歳の足じゃ村まで辿り着けない
そんな状況の中で、助けられて、守られて…

それなのに…
助けてくれたのは養祖父?
命を犠牲にしてまで尽くしたナビィは、英雄なんかじゃない?
養祖父のようになりたい?
養祖父のような英雄になりたい?(涙声、嗚咽)
そんな馬鹿なことは無いだろう

そんな馬鹿な話が…
あって、堪るかとしか…(声が引き攣る)
思えなかった


どうしても…許せなかった
出来るはずも無かった

二度と…誰も、犠牲になんてさせて堪るかって
気付けば、ただただただただ必死になってた

同じ舞をする人なんて…もう、見たくはなかったから……(涙が、頬を伝って落ちてゆく)


貴方は…命を犠牲にしてまで守ってくれた人を、忘れることが出来ますか?

笑って…何事も無かったかのように、笑って接することが、出来ますか?


私には……どうしても——

そう…思えなかった


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