第95章 神(しん)
5月14日
ラキアとの戦い前夜
黄昏の館屋上
アイズ「ベルのこと…嫌い?」
ケイト「嫌いだよ
世界中の何よりもどんなものよりも…
一番嫌いだよ」
それでも…修行をつけてくれた
アイズに頼まれるがままに
望むのなら…と
ロキ・ファミリアが一番だからと……
1033,1307,1308,1310ページ参照
十年もの月日を、不幸に見舞われ続ける日々を、魂を埋め込む対価とした
ナビィを、転生した精霊を、守り、助ける為に
死なせない為に…
もしも…ベル・クラネルがもう一度来ていたのなら
また訪れることがあったなら
墓を作りに来ていたならば
蘇らせたいと願っていたならば
本来なら彼一人に対価を支払わせる所を、自分の願いだからと
二人なら払い終わるまで早く終わるし軽微で済むはずだと
そうなれば不運に見舞われるのが5年ずつになっていたと
辛うじて、まだ…飲み込めはしただろうと
述懐していた
君は…これまで一体、どんな思いで
ベル・クラネルを善人と扱う僕等と接していたんだろう……
どれほどの想いを……噛み殺してきたのだろう
その瞬間ロキは土下座した
ずさあっ!!!!!
ロキ「すまん!!
ほんますまんかった!!
恨まれても文句言えん!!
ほんっとおおおおおにごめん!!!」
ケイト「………
怨んでるよ」
ロキ「へ?」頭を下げたまま
ケイト「ベル・クラネルのこと……
ずっと
ずぅっと
ずううううううううっと
怨んでるよ」
顔を恐る恐る上げると
真顔で真っ黒な何かを纏って、その周囲に稲妻が所狭しと蔓延っていた
ケイト「魂が死んでも
消えても
どんなに生まれ変わっても…
ずうううううううううううううううううっと
怨んでるよ
十年間も対価を支払い続けた
不幸に見舞われ続けた
そうなってでもナビィを取り戻したかった
たとえどうなるとしても…守りたかった
みんなも……全ても………
本来なら…
支払うべきあいつが…
名を呼ぶだけで完成する蘇りをふいにした責任を取って、為すべきことだった
それを…笑った
笑われた
何食わぬ顔で笑い掛けられて
何一つ悪いことなんてしたことありませんよなんて顔をして
平然と忘れて、接してこられて…
どんな気持ちだったか…?
そんなの語るまでも無いだろ…?
その時にわかったんだよ
あいつの本質が
本性が
