第94章 創傷(そうしょう)
ケイト(リンク)の錨(いかり)は
(どの世界でも)変わらず……
『誰も消えない(悲しまない)こと』ひとつだった
『みんなが、笑っていられるように』——
『必ず守る(愛してる)』――
その想い(信念)を通じて、繋がり合った『同志(どうし)』なのだから…
ぼろぼろ
それを聞いたケイトから…涙が次々に零れ落ちてきた
目を開いたまま
目に涙が溢れ
止め処なく流れ落ちてゆく
真に愛するとは何か――
人を不幸に追い遣り脅かすやり方を厭わない、責任も果たさないで悪くないと主張しかしない…そんな在り方に、正義など在ってはならない…
そんな当たり前のものを、見抜くこと、重要視すること…辛苦に寄り添うことすら、降って沸いた痛みに寄り添うことすら、癌一同と半グロの「罪の欠片」は出来なくさせる
ケイト「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
やり切れない怒り、遣り場の無い憤り、分かち合うことを一方的に奪われた憎しみ、全てに対して無限に存在する世界に渡って脅かし続けられた怨み…
次から次に涙が溢れて流れ落ちてゆく
人を喪う哀しみを無下に扱われた痛み、痛みを無視された悲しみ、それをした立場でありながら笑い掛けられる苦しみ、どれだけ寄り添っても寄り添われぬ虚しさ(空虚さ)
それらがからばんだ心に反響して突き刺さった
満たされず空になってゆく心に…棘のように、痛く、鋭く、無遠慮に、容赦無く
慟哭を、黒き荒波が飲み込んで――黒く染め上げてゆく
漆黒の、揺るぎない感情へと―――
それが…全てに対してそうさせるのが、上っ面だけの主犯格の癌
脅かすやり方では…どうしても悲しむ人が出てしまう、続出してしまう…
そのことを問題視したり、憂いたり痛んだりする…
それが普通の反応
真に願う人(神の階層(位)の人)は、それを決して見落としたりなんかはしないから……
掛けられる対象は2つ
・全てへ掛ける本人、癌一同(癌へ変異させられ、癌の犯罪行為へ加担した隠れ癌(加担者)も含む)
・隠れ癌へ変異させられなくとも操られ、癌一同を善と認識し犯罪行為の援助をし、共犯した半グロ(共犯者)
それらの全てが、全てに向けて発する
癌一同と半グロに都合良く捉え、悪くないと認識する
という効果を――
そして徐々に…己に対して、行うようになる
二段構えの癌化
