第94章 創傷(そうしょう)
『大丈夫!!?』
そんな声に…ケイトは力無く頷いた
ティオナ「わああああああああん
よかったよおおおおおお
本当に心配したんだからあああ
本当に大丈夫なんだよね!?
どこも痛くないよね!!?」
ケイト「うん…
うん…」
それらの問い掛けに、何度もケイトは頷いていた
お互いに、涙を流しながら
互いに抱き合っていた…
『肝が冷えたわ』嘆息
腰が抜けてか、力無く皆が皆静かにその場にしばらくは座り込んでいた
動けないまま…慟哭する人々を、目の当たりにする
リュー「本当に…よかった」滂沱
アスフィ「一時はどうなることかと」震え泣き
なでなで←頭を撫でて回る
ケイト「本当に…ありがとう」微笑
完全に形を成し、蘇っていた
死ねば全て消える
そんな定めを、身投げという形で回避させた
そして――そのケイトを、全ては一丸となって蘇らせた
ティオナ「これで一件落着だよね!
半グロもみんな消えたし!^^//」えへへ!
リヴェリア「物事はそんな単純では無いぞ?」顰めっ面
ティオナ「え?なんで?」
リヴェリアがある方向(地球)を指差す
「よっしゃ半グロみんな消えたぞおおお!!」
「ざまあみろおおお!!祝杯だあああ!!!」
『わあああああああああああ!!!!』
リヴェリア「新たなる半グロが目醒めないかヒヤヒヤものだ;」
額に手を当て頭を振りながら嘆息を零す
ティオナ「あー…
大丈夫じゃない?
リヴェリア「そんな楽観的な考えがあるか!!
また死に掛けたらどうするつもりだ!!?
また同じ路を辿るつもりか!!?」
ティオナ「そりゃ勿論再発防止には努めるけれどもさあ
リヴェリア「一難去ってまた一難にさせれば今度こそただでは済まされないぞ!!?
そうなった世界線だって無数に存在して!!」
『落ち着け』
リヴェリア「しかし…
フィン「君の懸念もわかる…
だが……
もう痛いほど思い知っただろう?
この世界は……
大丈夫だ…
信じよう…
幸い…ここは、一丸となれる世界なのだからね?
心の痛みを感じない
与えられた『心の欠片(チャンス、神の血肉(神の因子、命と自我と記憶))』を、摩耗させる、浪費する、彼女を踏み躙り続けることに、苦しみを感じない
そんな世界(本体の居る世界)では無いのだから――」
そう…遠くを睨視した
みんなで