第94章 創傷(そうしょう)
リヴェリア「無事か!!?」
リヴェリアを筆頭に皆が駆け寄る
集う先は…僕の腕の中
腕で、徐々に光が集い…再び形を成そうとしていた――
最後の最後…
本当に…消えた後になってから起こった、最初で最後の奇跡――
ケイト「……
(ぱち)
あれ…?
どこだ…?ここ」
その頃…ケイトの魂は真っ暗な闇の空間に居り消滅する間際だった
【ここは今際の際
異空間です
貴方に一つ問います
生き返りたいですか?
生き返りたくないですか?】
ケイト「?何を言って」
【今…
貴方が守った世界が、貴方の蘇りを望んでいます】
ケイト「!!」瞠目&驚愕
【……
貴方は……生き返りたいですか?
それとも……このまま消えて、二度と生まれない存在として果てますか?】
ケイト「………
ふっ…
この前までの私なら…
生きてる資格なんて、ってごねてたろうな…(苦笑)
(こうなることも計算ずくか…はたまた……)←目を細め困ったように笑う
……←瞑目し、笑みを浮かべ目を開ける
でも…
今は違う……
生き返る
みんなと生きるよ
みんなが…望んでくれるのならば」微笑
【その願い…叶えましょう←光が翼となってケイトを包み込む
生き返る時は…全ての心が一つとなった時のみです
まあ…答えは、既に決まったことですがね】
ケイト「………」
ぱあああああ!!
光が眼前に灯り、目を開けていられない程の光が目を覆う
ケイト『ありがとう――みんな』
一つの想いが――どちらにも響き渡る
フィン『おかえり――ケイト^^』
ぎゅうっっ
涙を流しながら
笑みを浮かべ、目を瞑ったまま
胸に抱き寄せた
頭を垂れ、静かに――
全部、無駄だった――あまりの仕打ちに、慟哭し、涙し、諦め…誰もが嘆きをやめずにいた
しかし…
無駄なんかじゃなかった
少なくとも…今、ここは……
全てが…力を合わせ、一丸となり……三代目(恩人)を蘇らせたのだから――
一度は殺した命…
それは確かに……
ここに在った――
全ての手でしたことかもしれない
しかし…
蘇りもまた…全ての手で果たした
果たせた――みんなの祈りで、全ての願いで……命の、想いのお蔭で…全ての灯火に宿りし『欠片』で―――何物にも負けない偉業を
この日――すべてがひとつとなった