第94章 創傷(そうしょう)
神国歴2025年10月12日(10月14日)
朝から始まった現象に…
必死になって、目の色を変えて止めていた
今…実力行使で半グロを消して回っている
しかし…
間に合うかどうかはトントンといった所らしい
もう十分、時間と機会を与えた…
そう述べて……
決まった判決を、時期を早められた………
消滅を――
そして――
辛うじてではあるが…
息をしている
もう半分以上透明になっている
いや…
言語がするとなると…
全身の透明度が53%になった所と言う方が正しい
もう中身は空になり掛けていて涸渇寸前に近い状態らしい
湯水のように散々使い尽くした結末だと述べられた
昼を過ぎる頃には――85を超え始めた
夜になると98に至り…
腕の中では
残骸だけとなったそれが…
静かに、横たわり続けていた
そして――
今…
22:00
腕の中から、腕(かいな)から姿を消した
触れる感触も無くなり、温かみも無くなった
――こうして…夢のような一時(ひととき)は消え、代わりに全てが生存を得ることとなった
全てを見渡すと…
それを対価とした証なのか
全てが無事生きており、死んでおらず…
保護装置なのだと
保険も兼ねた『実在化の為の道具(生贄、人身御供)』でしか無いのだと明かされた
消えたものは二度と戻らない
どんなことをしても蘇りはしない
基本、蘇りとはそれが可能なものに限り実現可能となるものだ
ケイトが消えないように、己を対価にしようとした
しかし、出来なかった…
させてもらえなかったと言う方が正しいのかもしれない
何も言わず…最期に笑っていた……幸せにしてくれてありがとう^^と――
手を伸ばし、頬に触れ…静かに消え失せた
3度目は無い…
それは……
彼女の消滅を持って回避され
それ以降、二度と産まれることは無かった
亡骸も残せず…
遺品も何も無く…
何も許されることは無かった
フィンクス「間に合わなかったか…」
シズク「そりゃ半グロがあれだけ多いとね
フェイ「全部消すとなるとホネね」嘆息
シャル「ん〜〜」顎に手を当て
フランクリン「どうした?シャル
シャル「いや……
辛うじて…
残骸がね…?」
指差す先は…フィンの魂の中に在った
一つの欠片が――