第94章 創傷(そうしょう)
フィン「大事にして欲しい
そうされるべき存在だと認めて欲しい」
そう…訴えた
涙を流したまま
嗚咽が溢れそうになりながら…
必死に呑み込み抑え込みながら……
それに…優しく目を細め微笑み…
笑い掛けられた
ケイト「ありがとう」微笑
そう頭を撫でられる
普段なら安心する温もり…
しかし…そんなことどうでもいいぐらいに、貴方のことが大事だった
だから頭を振って猛然と抗議した
そう想うなら大事にしろ!!!と言って聞かなかった
それに唇を奪われ
しゃっくりや嗚咽が堪らず出てくる中で
ケイト「大事に…しちゃいけないと思ってた
私が…私を、許せなかった
約束したのに…
2番目にお母さんを助けて!と言われて、任せろ!って言ってこの世に飛び出してきたのに…
出来なくって…情けなくって…許せなくて、そんな自分が不甲斐無くて
そんな価値しか無いって、無様な目に遭うことがお似合いの扱いだなんて…心の何処かで、そう…思ってた^^
……
でも……
みんなと出会えて…
少しずつ、変わっていった
変えてくれた
何度も優しく接してくれた
私も…初代も…みんな、自分を大事にすることが苦手なんだ
だからって…逃げてたら…駄目だよね?(苦笑)
ちゃんと…戦わなきゃ、そうならなきゃ…笑えないんだよねっ?←俯き震え
ごめんね…(ぽとっ)
至らないことばっかりで(ぎゅうっ)←拳を握り締める
ごめんね……っ」ぼろぼろ
そう滂沱の涙を零し頭を下げてきた
深く深く…
地面と平行になるよりも、更に下に……
それに再び頭を振った
フィン「貴方は…十分、頑張っている
ただ…それが、たまたま……
こちらに合わなかっただけ
十分良くしてくれている
そうしようとしていることは、必死に動き続けてくれたことは、ちゃんとわかってる
十二分過ぎる程に、もう沢山貰っている!
だから…少しでも……貴方に還元、されて欲しくて」
今度はケイトが頭を振ってきた
ケイト「それは…甘えだよ
見返りを求めてなんかはいないんだ
でも……
でも…
欲が出ちゃってさ…
見失っちゃってた
肝心な部分、間違ってしまった…
ごめんね…
大事に…して、いいんだよね?
しないと…
傷付くんだよね?
いたいんだよね…?」涙
ちゅっ
その言葉に、今度はこちらが唇を奪った