第94章 創傷(そうしょう)
肩でするほどではないにしろ、睡眠時間は6時間程度しか無かったはずなので
ゆっくりと寝かすことにした
頭を優しく撫でた
お疲れ様
も
頑張ったね
も
どこか違う気がして…
そっと寄り添うぐらいしか出来ずにいた
献上品ということで
クッションを貰っていた
足が疲れてるようで
下に引いていた
夜半の月かな
そんな句が、不意に脳裏をよぎった
見失いたくない…そんな思いを胸に抱いて――
10月6日(10月8日)
夜中3時に起きてきた
歯磨きしてない!と飛び起きてしだして…
ようやっと落ち着いて寝る頃になってから……
ケイト「私って…業突く張りだから…←俯く
何度キスしても、もっと!って←顔を逸らし
何度も求めちゃうよ…?//」かああっ←頬が赤くなる
フィン「ふふっ^^」頭なでなで
ケイト「それでも…いいの?」おずおず顔見上げ(上目遣い)
フィン「…もちろん
一生するよ」微笑
ケイト「……←一瞬瞠目し、目を細めて笑う
うん(微笑)
ありがとう^^」
心底嬉しそうに笑い掛けるそれに…
私(フィン、魂の一人称)は抱き締め、優しく背や頭を撫でた
フィン「…………」
その折…
別の世界でのやり取りを思い出していた
ほのか「大丈夫?
本当に?」
ケイト「だ…れ?」
目を細め
何度も瞬きし
それでもなお…
削る行為を辞めてはくれない
諦めてくれない
半グロ化の阻止も
半グロの救済も…
その為に…全てを失ってでも――
その結果……ここまでズタズタのボロボロになって…それでも……
貴方は……
「無事で…良かった^^
どうか…
長生きして…
幸せで……居てね?」
息絶え絶えながら…
ずっと…ずっと……
そう言ってはばからなかった
その言動と態度は…決して変わること無く、揺らぐことさえ無かった
返してよ――
みんなとの記憶(宝物)
そんなルビ(振り仮名)が振られるぐらい
大事なものなのに…
それを対価として渡さなければ、助けられない
だが半グロは皆、誰もが減らそうとはしない
決して
穴の開いたザルのように、次から次に抜け落ちてゆく
無償の愛は在っても、無限の愛は無い
見切りを付けられること等、ありはしない
そうゲラゲラ笑う癌一同…
半グロが、それと同じ道を辿っているのは明白だった……