第16章 悲鳴
そんな意見が、僕ら(ロキ・ファミリア)の共通の認識として纏まった。
ティオナ「でもわからないのが頑なに責めてる点だよね」
フィン「そうだね。
彼等彼女等にとってはされたそれの方が大きいのだろう。
その後でケイトは不干渉を取っていたから、余計にそちらの方に目が向いたんだろうね」
肩をすくめつつ、目を伏せて溜息を零した。
フィン「でもだからと言って限度がある。
彼等彼女等がやったのは、ただのストレス発散や自己満足だ。
謝らないからと何度も何度も行い、それに対して仕返しをしない態度を貫くケイトをいいことに記憶喪失に陥るまで続けた。
結果として、ケイトはそれまでにできていたこともできなくなり、人生において多大な障害を残した。
声が出なくなった。人を見ると怖がる怯える。畏れ多くて行動できない。
そんなケイトとは引き換え、彼等彼女等には一切障害がない。
そうだな…強いて言うなれば偏見を捨てられないこと、かな。
総合的に見て圧倒的に悪いことをしているのは街の人達に他ならない。
根本的に違う」
ティオナ「そもそも人にぶつけようともしないもんね、ケイト」
ティオネ「あれは相当希少よ。
人の痛みに寄り添い過ぎ。愛が重い」
『……;』
フィン「ティオネにそう言われるほどとはね^^;」←重い愛を常に受けてきた人
アイズ「街の人達に一度聞いてみたけれど、話にならない。
ケイトが如何に悪いか、そればかりしか言われなかった。
それ以外見てないし、見ようともしていないようにも見えた」
レフィーヤ「そうでしたね;はああ;」嘆息
リヴェリア「聞いていて気分が重くなるものばかり吐き掛けられたな。
当人がどんな環境で育ってきたかも知らずに、声高々とそれが本質だとばかりに語られた時は…」嘆息
ガレス「知らぬが仏じゃ。
ああいう類は見えていても見えておらんでも変わらんわい」
ロキ「どんだけうちらが言っても意見変えんかったもんな」嘆息
ティオナ「早い話、聞く耳持たずって言うんだよね。あーいうのって」
ロキ「そうやなあ。はあああ(嘆息)
さてと、纏めはこの辺でええか?」
こく
僕達が抱いている『街の人達への思い』を口々に出した上で行った整理と話し合いは終わり
互いに抱く意見をぶつけ合ったことで折り合いもつき、闇派閥の調査の方へと集中し始めた。