第94章 創傷(そうしょう)
罪の起点
罪を罪とも思わぬ、癌一同や、半グロへなる起点
それこそが…
自らの非を、他の心を、見なくなること
重んずべきものを重んじず、軽くあしらい、笑うこと
繰り返さざるべき行為を、罪を、罪とも思わず繰り返し続けること
それらの罪に、自らが犯し続けている過ちに、犯した非に、「気付こうとすらしないこと」が…そもそもの始まりなのだと――
自らがした悪事に悪が宿るのでは無い――
自らがした行為が悪事と、「気付こうとすらしない行為」に、悪が宿るのだと――
その「心の在り様(ありよう)」こそが…癌であり、癌一同であり、半グロなのだと……
要は―――「誰かを守るという目的の為に手段も選ばず痛みや傷を無関係な人達を巻き込んで回って与えていること(どこからどう見ても悪事)」に、「悪があると受け入れようとしない心の化身」なのだと
だからこそ悪とも罪とも思わず、気付こうとすらしていないのだと…
罪を罪とも思わない(✕)
罪と気付こうとすらしていない(◯)
罪と受け入れようとしない心の化身(花丸◎)
それらが正式に下った全世界共通の「癌一同、半グロへと至る根源、在り方」への評価であった…
ケイト「あの〜…
この首輪って…何?」
隊長「死なせない為のものだ
全ての力を無力化し、清浄化して死なさせない為の力へと変換する
こうでもしないと死ぬと通達があったからね
已む無く取られた手法だ」
ケイト「へえ〜
でも深淵にもなると貫通するのか
隊長「それを除いて何も使えなくなるからね
全ての自由を捧げるとは諸刃の剣
使い道がそれしか無くなることで、どうしても出来ないことが生じる
その代わり火力は段違いに跳ね上がり、どんな化身化も無力化し貫通する威力を孕んでいる
…僕の場合は、皆を守る
その経緯上、皆を守る為に、その延長線上である全ての実在化を司る君を、守ることにも最大の威力を発揮させた
気絶も、治療も、清浄化もね…
だから闇を引き剥がすことが出来た
透過し浸透し切った闇を分離させることもまた同様に…
それが…僕の深淵
闇に伴う汚染を分離、結界を張り身を守り、他にも付与させ守らせる
シンバスも使えたのはそれでだ」
ケイト「なるほど」
フィン「…で?今も付けている理由は?
隊長「いつ崩壊してもおかしくないだろ?
フィン「確かに」頷く
