第94章 創傷(そうしょう)
耐えろでは無い…
ただ……学びを得られる者か
得られずに振り回し、喜びを感ずる愚か者か
立証出来るだけの時と結果を突き付けねばならん
捌く側としてはな……
裁判の裁くでは無いぞ?
魂を、霊体を、その者の全てを――消す、断罪する為の行為という意味じゃ」
ケイト「ああ…知ってる
癌として完成した魂を黒の国に連行して闇のみ切り離して消す方の捌くだろ?」
龍神「そうじゃ」深々と頷く
ケイト「長いんだよ……その機までが
それまでの間に、色んな人や物が…
ガンガン、闇へ染色されていってしまう……」俯き、未来を憂う
龍神「だとしても…じゃ…
それを費やすだけの価値はある
二度と存在してはいけない存在と
そうでない存在…
それらは分かたれなければならん……
決して交えることは、有ってはならん…
そう取り決められたからこそ
今行われておるんじゃ…
自分がどちらなのかを…己が身をもって、証明してもらう為にものお」
顎髭を撫でる白き龍神、雷王に…
ケイトは…わかった、と意を示しながら頷いた
龍神「今は養生せい
話しとるだけでもきつかろう」なでなで
ケイト「……ありがとう」
優しく頭を撫でられ涙を浮かべた
紅蓮焔(ぐれんほむら)
袈裟斬り
全ての霊体と魂が集いて放たれる一撃必殺の剣技
だが…完成したのだが放てなくなった
自浄とは…
各々が自ら持つ浄化作用を強める行為を指す
それはすなわち…「浄化作用を放棄し、癌一同や半グロに傾倒すること」による「隠れ癌化や半グロ化」を清浄化することにはならない
なり得ない
何より…自ら、清浄化を放棄する行為
それが…半グロと癌一同の味方となり、擁護する行為そのものを指すから
その時点で…魂は黒く染まり、二度と元には戻らない
決して
絶対に
それを清浄化出来る唯一が…
原初の始祖神たる個であり
自らの命と自我と記憶を対価にするという力業(無理やり)で成していることだから――
ケイト「罪を罪と思わない人
罪とは穢れ
個を個として見れず、大事にせぬ証として、残される傷跡
犯した時点でその身に、魂に刻まれ、焼き付き
決して←震えながら口元に手を伸ばす
消えることも離れることも出来ぬ
なんか……身体が
勝手に
収まった…みたい、だけれど」
フィン「身体を貸してもらった
という所だろうね
