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Unlimited【ダンまち】

第93章 深淵(しんえん)





その対価として――癌一同が身投げした魂とすることに伴い、戻ってきた命と自我と記憶をそのまま差し出した

が…それでも足りず、自らの死が対価となり掛けていた

その折、生存本能が働き、二代目の闇が現出した


闇の煙を出すものは…
神から地獄落ちのものまで
幅広く存在する

闇の煙
癌の闇の3000倍もの透過性を持つ


「恩着せがましいだなんて思ってごめん」

誰の言葉か…
聞こえた気がした


ケイト『あいつの守りたいものを…
全て守りたかった

癌一同も…守りたかった

でも…守れなかった……


あいつは望んでいたのに…
救いたいと願っていたのに……

癌一同を…守れなかった…救えなかった……


だから……今度こそ…

そう思った…
必ず守ろうと誓った、思った…


たとえ自分が消えてでも、死んででも構わない

もう誰も消えないで欲しい
死なないで欲しい…

九百七十六垓人の身投げと入れ替えるなんて事態は…もういやだっ


半グロも…皆(みんな)も…絶対死なせない!
消させない!!

そう…勝手に誓った…思った……

今度こそは、って……
守るんだって

でも…←手を伸ばし、対価を差し出す


ごばっ!!←喀血し咳き込み前のめりに倒れる

守ろうとした…
それでも…守れなかった

その人達の意思が、想いが、それを許さなかった
間違ってない…悪くない…そう信じて疑わないから……


我が身は愚か…他人の身まで危険に晒し、いいものだと吹聴し、危険に晒し続ける……

その行為の罪を、罪過を、決して認めはしなかった

それが出来ない限り…決して……改善も、救われることも、無い…決して――

それが…癌一同と同類である、唯一の証だから―――

同じ末路を辿ることとなる、根源(元凶)だから――――


消えて欲しくない
死んで欲しくない…

こんな勝手な、私情に巻き込む俺なんて、始祖神になんて…向いてない←4565ページ参照

また…また……救えなかったっっ(涙)←左腕を目の上に乗せる
そればかりか…皆にまで、消滅の危機を……

ごめん…ごめんなっ』涙を止め処なく流す

初代『駄目なのよ…助けちゃ←頭を優しく撫でる
自分で助かろうとしないものに、いくら機会を与えても同じこと

無駄なのよ…どれだけ助けようとしても、危険の自覚が無いのだから手を取れはしないわ』


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