第93章 深淵(しんえん)
最初は光で浄化し尽くし
それから水の中、水星の中で静かに療養していた
地球の呼び方で言うと、保養地となる
以前言った曜日
その曜を神星(しんせい)へ置き換えた名となるのだとか?
フィン「水星?
隊長「いや…
この星の名は、プラーナ
水神星(すいしんせい)プラーナだ」
プラーナとは、あらゆる生命活動や宇宙を動かす根源的な力
隊長「全ての実在化を司る存在であり、基盤となる、母たる国
己を除く全ての母体と強制的にされる…
お前からすれば故郷となる場だ
ここで大半を過ごしてもらう」
ケイトへそう言った後
隊長「僕は光の方の…白神星(ほくしんせい)イヨラダ
全ての浄化を司る神だ
火は…ヒビを入れてでも浄化するから省いた
闇に関しては不浄となる部分を切り分けてマーキングしてくれる
で、僕らが光を用いて摂取させ、分離、剥離させて浄化させる
君の場合、不浄が成長の妨げになるから
僕達と同じで…
実在化の障害となる闇…
不浄の者等
それらを遠ざけ、侵入を拒む…
それが水の星だ
そちらの始祖神の涙と同様にな……
我等が星が生まれ、文明が完成したのは…今から一億年前の話だ」
イヨラダ星長「何もしなければ死ぬでしょう
貴方は死なせたいですか?
そうしてまで隣に居たいですか?」
フィン「必ず助けますから」ケイトの左手へ、手を添える
それに…痛みによってか、顔を歪めた
9月5日夜20時から…
光の布で全身を覆い、経皮吸収されていた分を吸い出そうと試みられた
ミイラのような見た目になる
その中でも…息絶え絶えになりながら……
左腕前腕の中間では骨が丸々見え
左手の甲の皮膚は焼け爛れ
左掌も軽度の火傷状態にあった
全身が全身…無事な部分など一つとして無かった
ケイト「だい…じょうぶ、か」
フィン「こんな時まで…
人のことなんて考えなくていい!!」
頭を抱き締めながら叫んだ
涙が浮かぶ中
それでもケイトは言った
ケイト「大好き…だから……
無事で…いて、欲しいんだ
長生き、して…しあわせ、で……」
ぎゅうっ
頭を抱き締められた
ケイト「癌一同は、まもれ、なかった
せめて……
半グロ…だけでも
まもら、ないと
おまえ、たち、が………」
かく
フィン「ケイト!!
ケイト!!!
ケイト!!!!!」