第93章 深淵(しんえん)
9月4日
昼12時頃
食事を終えてから、移動させられた
白の国から贈られた、壮大な間取りの異空間の一室ごと
光で浮かせて丸々
警護の為にも、僕も中にいさせてもらっている
隊長も同じだと
隊長「ここが水の国だ
まだお前は幼体程度の状態なんだ
せめて成体になるまではそのままでいろ」
ケイト「いつ、まで…」息絶え絶え
隊長「その身体は67歳が寿命だったな
39歳…
5年後か7年後だな
無理に地球に通えば後者の時間となる
今の身体は34歳だ
無理をすれば長くなくなる
夜になれば不可能は伸びる
その分な…
だからそのままじっとしていろ…
それが…
原初の始祖神の……」
ぎゅっっっ←ケイトが拳を握り
ぎぎぎぎぎ←力を強め
ふるふる←震え出す
隊長「宿命だ…
逃れることが決して出来ない」悲しそうに顔を歪める
ケイト「…(つー)←左目から涙が頬を伝う
わかってる…
誰も…助けられないことも
誰からも…助けてもらえないことも…
全部…わかってた……
それでも…信じたかった
行動したかった…
一緒に居たい人と、一緒に居たかった
笑って、ただ…過ごしていられるだけでよかった……
そんな些細なことすら不可能であることぐらい…
十分知っていた…
だから闇が暴走したのだということも……
半グロを無理に助けようとした結果なのだということも――
ごめん、なさい…
ごめん……
辛い役回りをさせてしまった
本当に…ごめんなさいっ」
涙をぽろぽろと流し
再び目を閉じ、眠りについた
隊長「なんでお前が謝るんだよ…
ばかっ」
自身の目元を手で押さえ
最後に小さく拭いながら
消え入りそうな掠れ声で
小さく呟いた
ここは水の国…
それと提携している星であり
主に水に属する聖人が集っている
水鳥から龍神に至るまで多岐に渡って……
8つの星々の国は全て、星一つで一つの国家であり
それぞれの原初の神々と提携されていた…
原初の星、原初連合国と呼ばれており
地球が生まれる前に、癌一同を生まれさせる星を創る前に
こちらを創り、動物達を進化させ、見守り、全てを神へと至らせ、自らで自らを清浄化出来る存在、生物へと進化させた
いずれ駄目になる日を鑑みて――
きっと…
次世代は無茶をするだろうから、と
それらの情報も地球へ送った