第16章 悲鳴
フィン「今でこそ…血は繋がらなくとも友がいる。理解者にも恵まれている。
理解した上で反発するものもいるが、ケイトはちゃんとそれにも真正面から向かえるようになった。
自らの意見をぶつけられるようになった。
ケイト『殺す?軽々しく言うなよ!』←400ページ参照
ケイト『どこ探してもいないんだ。どれだけ求めてももう話せないんだ!
二度と会えないんだ!!
(ぷるぷる)…ふざけんな。
(ぎり)殺すなんて、軽く吐いてんじゃねえ!!!』涙←400ページ参照
それは喜ぶべきことだと思っているよ。
だから…いや、そう思わせる為に君は言ったのかな?
……ケイトは、その環境だったからこそケイトたり得た。
どんな苦境にも負けず、一人きりで立ち向かい続けた。
自らを汚すことを由とせず、明るく振る舞えるまでになった。
ティオネとのぶつかり合い(312~322ページ参照)もあってか、より真っ直ぐに伝え『られる』ようになった。
その成長が…とても喜ばしい。
あんなのでも大切な家族…か。←47ページ参照
僕にはとても思えない。思えそうもない。
貶めて死ぬよう促すことしかしない輩を…いや、ずっと…それが、ケイトにとっての家族だったのか……
生みの家族はそれだったにしろ、育ての家族は違っただろうに(嘆息)
…でも…ここまでこれたのはそれらがあったからこそか。
街の中には出してもらえず、外で動物を必要となる分だけ狩って、共に生きる。
何もしなくてもお金で買えるなんて…当時のケイトは知らなかったかな?
存在は知っていてもやり方を知らないぐらいだったし…」
ロキ「むにゃ…ケイトぉ…うちがまもったるからなあ~(ぎゅっ)
むにゃむにゃ」←フィンの服の裾を握り締める
フィン「ふふっ…僕も同じ気持ちだよ、ロキ。
今度彼女に手を出したら、問答無用で攻めに行って街ごと滅ぼすつもりだ。
宣戦布告と受けとると、同盟書にも残してあるからね。
だから…そんなに思い悩まなくていい。
あんな非道な人達に心を移すこともない。
シンプルに考えよう。
『彼女がここにいてくれてよかった』
それだけでいいじゃないか」
そう笑いかけると掴んだ裾を離してくれた。
満足頂けたかな?
僕としてもやっと精神的に落ち着けた。
まあ、それは置いておくとしてそろそろ起こさないとね。