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Unlimited【ダンまち】

第93章 深淵(しんえん)





エル「例の爆発で
地底人にも協力してもらいました

なんでも…闇の煙程度にまで抑えられたお蔭で格段に良くなったとか」

ケイト「くしゃり)そっか…←辛そうに顔を歪める
よかった」

天翼人、地底人は…
精霊界同様、地上の浄化を目的に生まれた種であった為

ケイトがおらずとも実在化に支障を生じない状態を齎す基盤となっていた


フィン(…………

おかしい
まるで…ケイトがここから居なくなるみたいだ


この地球(星)から……)

そんな予感を前にして、顎に手を当てて考え込む中


リヴェリア「?どうした?」

フィン「いや……
気の所為ならいいんだが……」

そう考えを述べようとした直後
甲高い悲鳴が上がった


2025年9月1日
夜19時半頃

人々が温泉プールでまどろんでいる中
悲鳴が聞こえ出した


女客「きゃああああああああ!!!」
犬をそのまま人型にした
犬人らしき人が、18階建ての宿の出入口から押し入り人々を襲っていた

だが様子が変だ
ある者には反応せず、人を盾にしてまで逃げようとする者だけ襲っている?

そんな疑念を共有する間も無く
ケイトが出入り口へ向けて飛び出し外にある高台に上り、マイクを手にとって叫んだ


ケイト『襲撃です!!
皆様!中に入って避難を!!』
するり
光が首に巻き付き、首輪の形を形成し、固形化と共に固定化された

ケイト『避難を
ばぢ!!!!

ケイト『が…っ』
全身に襲い狂う衝撃
それは全身を震わせ、全身が散り散りに千切り飛ばす痛みを齎すものだった

意識が飛びそうになる
その中で、辛うじて踏み止まった


化身化もシンバスも貫通し
神の力も魔力も恩恵も全て無力化された

首輪が掛かった瞬間からのことだった

遠目にもはっきりと見えた


目を白黒させ暗転しそうになる意識を、踏ん張って、歯を食いしばって食い止め、再び叫んだ

ケイト『避難して下さい!!!!!
ばぢいっ!!!!!

再度加わる電撃に、今度こそは耐え切れず…
マイクを手に持ったままその場に倒れ伏し、意識を手放した

それに、犬人達が跳躍だけで駆け付けて
だらりと力無く垂らした手や上半身を支え
落ちないように固定し、運び出そうとしていた


「凄いな、耐えたぞあいつ」

「そこまで強い訳でも無さそうなんだがな
戦闘用には不向きだろうに
気質から見ても」


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