第93章 深淵(しんえん)
大丈夫(微笑)
私はその道の専門家(プロ)なので
どちらにも後遺症も傷も残しません
それ相応の対価は必要となりますが、どちらも最小限に留まります
化身化をあなた方が身に付けていれば…
いえ…それぞれの遣いがこの世にいれば……
詮無いことですね
いないものはいませんし
今あなた方がいるだけで…負荷は減っておりますし
これ以上を求めるというのは酷というもの……
寿命を延ばす上で欠かせない
結構凄い人なんですよ?私^^」ふふふっ
髪の長い、古風な女性
ザ・大和撫子とも言える見た目
華奢な体躯とは裏腹に、ものともしない凄まじい力
化身来華を跳ね除けられるばかりか取り込まれ
宿灘「ちょうどいいので対価として貰っておきますね^^
大丈夫
必ず治しますから」微笑
ぷかぷかと水の膜の中で宙に浮き
だらりと身体をされるがままに脱力させるそれに…
とてもでは無いが、見ている側からすれば…生きた心地がしなかった
解放された時…
完全に元に戻った状態で
何度再生しても粉々とヒビが維持されていたのに
それが元からまるで何も無かったみたいに、綺麗に消えていた
綺麗だ…
それが…
宿灘を見て、思った、感じたことだった
そして朝…
先程言っていた通り、結界が完成した
それに伴い、完全に負担が楽になったようで安心したみたいに心地良さ全開!とばかりに大の字でその場で寝っ転がり、満面の笑みを浮かべた
水をやっていれば大人しいものだ
つまりやらなけらば危険?;
そう考える中、やるのが忘れそうで面倒なら水を置いておけば勝手にツルを伸ばして飲むとのことだったのでそれで行くことにした
部屋の一角に鉢を置き、水を欠かさないようにした
すっかり元気になったようで
ケイトは自ら率先して書類整理も手伝ってくれ、雑用全般を買って出てくれている内…
11:15、再び宿灘が訪れてきた
ヒビが入っていたのが
新たな魂の膜の方か
古い方なのか
それ次第によって対応や今後の調節が変わる為、確認しに来た
古い方なら新しく変えても皆に影響を与えずにいられる
新しい方が、皆のこれからの魂の膜となるから
逆に新しい方なら問題な訳で…
皆の魂の膜に不備を生じさせ兼ねないからと
ヒビが入っていたのが古い方の膜と判明し、原初の始祖神、初代へ報告し情報共有を行っていた
