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Unlimited【ダンまち】

第93章 深淵(しんえん)





8月29日9:22〜8月30日2:22

宿灘(すくなだ)
原初の始祖神の遣い

ケイトを水の膜で包み込み
全ての息を吐き出させ
水中呼吸をさせ、力の浸透圧を上げてゆく


フィン「お構いなく
見届けるぐらいはさせてくれ

怪しい行為をする気は無い」


宿灘「失せる気は?」

『完了するまで失せる気はありません』


現れるや否や治療の為と称し
水の膜でケイトの全身を覆い、水の中へ捕らえて気絶させた(眠らせた)

宿灘「無理やり強制的に繋ぎ止めただけで
隙間が無い訳ではない

完全に埋め、霊体と魂を完治した状態と同じ状態とすること
それが…始祖神様からの命

化身化を極めてから、長い時を使い生きて来た
年季が違うのですよ

身に付けてそれほど時を有していない方と、熟練度を同じにしないで下さい」


ケイト「ごぼっ
宿灘「息を完全に全て吐き出しましたね

っと…
この個体は酸素を必要とする身体でしたね
液体呼吸に切り替えさせましょう


原初の始祖神様からの命を受けて来ました
用が済めば帰ります

私の名は宿灘(すくなだ)…
補修、修繕を担当しています


原初の始祖神様は、本質が水です
それに加え、魂の膜と霊体も水で構成されています
魂の膜は皆が皆そうですが…

魂と霊体を削るという行為は諸刃の剣…
癌化に対して無効化という絶大な効果を発揮するのと引き換えに
己が身を削り、消滅させる
その側から魂の心が再生させ続けようとも、更に削りが続く…
癌化の闇が無くならない限り、それは終わらない


消滅させたものは…どんな方法を使っても元には戻らない

その自我も記憶も…命も……
決して元に戻ることは無い

自分で決めたこと…
だとしても…削りが増すに伴い、無理を続ければ……

此度のように、魂や霊体に影響を及ぼし、その状態までも維持されてしまう
それだけでは無い…

更に悪化する一方となってしまう……


だからこそ…
原初の始祖神様の側にずっと仕えていた私が遣わされてきたのです


ご留意のほどを…どうかお願い致します


魂のヒビ、霊体の粉々
それらを繋ぎ止めただけの糸
その糸は…命と自我と記憶の結晶…
そうでなければ、その影響に伴う傷に、影響を及ぼせませんので

修繕には糸もそのままにしますが
それごと完全に一体と化させる為に
五時間ほど時間を要します


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