第16章 悲鳴
ロキ「はあっはあっ…
ってすまん。
ついケイトの気持ち考えてたせいか過激になってしもうた」
フィン「いや、僕としても同じ気持ちだよ」
ロキ「あいつらの環境はな…そんな切羽詰まってへんねん。
人にいつだって相談できる。一緒に笑って馬鹿できる。
楽しい時間を作って遊んでいられる。遊び友達やっておる。
あんな環境におる奴等がやで?
切迫した環境におるケイトをあんなにまでやってんねやで?
さらに追い込んで死にたいって、死ぬことが夢やって言うほどにしたんやで?
目も当てられんわ!!」
フィン「ご随意に」こくこく←同意のつもり
ロキ「はあー。うちも整理つける為に言うたんやけどなあ」
フィン「僕としてもそう思うよ。どう見ても悪いのは彼等彼女等だ。
それを受け入れるか受け入れないか、その時点でどういう人格かはわかる。
謝ろうとしていた使者の彼はまだまともな方だとはね」しみじみ&溜息
ロキ「まー…ともかくや。殺意は収まったか?」
フィン「ンー…何とか、といった所かな。
以前に比べたら劇的というほどではないけれど、マシにはなった」
ロキ「そうか。ならよかった」
フィン「ロキもケイトも…愚痴を言う時にわざわざ名前を挙げないあたり、相手の迷惑をちゃんと鑑みている。
それを悪人だと言うのなら、世界中全てが悪人となるだろう。
それだけ気を回していてもなお、気遣う優しさでさえも彼等彼女等は『悪』と言うのだからね」くす
ロキ「そやな。酒でも飲も!飲んで忘れよ!」
フィン「いや。
ケイトがここに戻ってくるまでは禁酒を続けるつもりだ。
悪いが酒は一人で飲んでくれ。僕はジュースで我慢するよ」
ロキ「ホンマに…お前もええやっちゃな」
フィン「ケイトほどではないよ。あれほどお人好しに護ろうとは、助けようとは僕には思えない」
ロキ「ここに行き着いてよかったで。
行き着かんかったらどうなってたことやら…」
フィン「ンー。
心を開ける環境になってから反抗期を迎える…かな?」
ロキ「そうやとしても長いやろうなあ」
フィン「そうだね。ケイトの未来に幸を願うばかりだよ。
乾杯」
ロキ「かんぱーい!」
かつん!!
4月18日AM0:30
帰ってくるなり殺人をやめるよう説得された後
神室にて、酒を飲んだロキ(神)の愚痴を聞くことになったフィンであった。