第93章 深淵(しんえん)
もうこれ以上誰も消えないで……
涙を双眸から流し、懸命に祈り、瞑目し願い、自らを捧げ、命も自我も記憶も果ててゆく…
それでも尚足りぬ……
その結果……始祖神の分体が死んだ←1079,5292ページ参照
自らを対価としてでは無く……これ以上、誰も犠牲にならないでという願いの対価として――最後の力を振り絞って
それが…主犯格の癌が3000年前この世に生まれたせいで再び、主犯格の癌のせいで自ら犠牲となる魂が76垓人出ることが確定した折での出来事であった…
実際にそう願い死んだのは…2800年前……
それと入れ替わりに原初の始祖神2代目ケイトが生まれたことに伴い
ようやっと犠牲者は無くなり……始祖神の分体もまた宿ることが出来
それと皮切りに……二度と同じ事態が訪れることは無かった―――
それが……これまでに犠牲となった976垓人もの魂達…それらが再び生まれ変わってこない原因、真実である……
そして――それに付いていた『守り(創世神の分体)』もまた一心同体である為共に消えることとなる
その重苦しい真実を…僕達は今になって知り、重く受け止めるばかりであった
アイズ「再生は……出来ないの…?」
ケイト「……
結論だけで言うと……
可能だ
『!!
ケイト「今は、だが…
命も自我も記憶も…再生出来る存在にまで昇華出来るようになったお蔭だ(微笑)
そうなるまで…黙っているつもりだった…
私自身…それを信じたくは無かった
でも…(すっ)←瞑目
それが現実だと…始祖神の記憶が蘇る度、突き付けられる
何度でも……何度でもっ…
それに押し潰されないように必死だった
だから縋った……
お前達が大好きだという想いに――←悲しそうに微笑←1076ページ参照
悪かったな…ずっと……こんな大事(おおごと)、黙ってて
ティオナ「ううんううん!!
言える訳無いよ!こんなの!!」
ケイト「でも…
お蔭で、隠れ癌は消え、癌も消え、主犯格の癌も消え…
その分、人口は増えた……
少しずつ再生が効くようにもなる
あいつがいる限り…主犯格の癌がいる限り、再生出来ない
その悪影響を防ぐ為、自らの身を投げ打ったのだから
だから……もう大丈夫だ…
皆…帰ってくるよ
ありがとう…これまで支えてくれて^^
大好きだよ――//」満面の笑み&微笑涙