第93章 深淵（しんえん）

7月20日（冒険者118日目）
その日、世界全体は丸々眠りについた

次の日の朝、OPがポラリスという曲へ変わっていた


ポラリスのMVが作製され、それがそのままOPへと転用されたらしい


テロップ『ポラリスをバックにどうぞ』

闇のみの中
創世神の親が、生んだばかりの創世神を抱き締め、全てを送りつける

最期に心を贈る

それらの場面が矢継ぎ早に流れ


繰り返すな
という白字の言葉が浮かぶ

たとえ魂が滅ぼうとも想いは死なない…
お前を必ず守る
という白字の言葉が浮かぶ


Unlimtied


創世神の神域――
深緑の業火

それを元に癌の世界をこの世へと変え、生み出した魂の修業場へと転じさせる場面


原初の始祖神が涙を流す場面と共に顕在化した神域

始祖神の涙――
それを中心に、7つの世界樹等々の原初の神々の神域が囲うように浮かび上がり


全ての自由と時間
命と自我と記憶
己を除く全ての母体
という白字をバックに
創世神の膜に削られ続ける初代が映し出される

力無く横たわったまま微動だにしない初代へ向けて
2代目が手を伸ばし、一緒に削られる！と叫ぶ場面


最後の最後、『戦う力』を初代を抱き締めて笑って差し出す

貴方を守れる方が誇らしい
白字が浮かぶ


初代と2代目が涙を互いに流し合いながら、笑い合う光景が映る

痛々しい傷跡
どう変わったかもわからない、認識も自覚も出来ない悲痛な痛みがヒビとなって、笑みを曇らせる


生きるよ――
白字で浮かび上がる

ヒビ跡が皆の姿で埋め尽くされ、光となって純白の背景へ変わって行く


白い空間の中

涙の粒が一粒一粒、無数に、辺り一帯を埋め尽くす中
2代目が掻き分けて、初代へ向けて走り続けていく

水溜まりを蹴飛ばして、徐々に近付いていく


その一粒一粒にはそれぞれ
ロキ・ファミリアとの出会い
格上との戦い（隻竜、オッタル）
様々な闘い（ブランシェ、始祖神の闇、全ての闇、原初の精霊）
創世神の膜
それぞれの役目

初代へ必死に手を伸ばし、その手を涙ながらに取る初代
『戦う力』が紋章を象り、光となって全てへ溶けて行く


必ず守るから――！！
白字が浮かぶ

初代と2代目が指切りし、笑い合う

青空をバックに背を向けた2代目が笑って、シンバスを左手に天を見上げる



行（生）け
白字が浮かぶ