第93章 深淵(しんえん)
シンバスの名の意味――それは…
SymbUs
Symb Us
Symbとは象徴
Usとは我々
という意味で名付けられたらしい…
つまり、『我々という象徴』――『シンバス』という訳だそうだ
そのまま…全世界の全ての存在は眠りについた
それまで身を守り、せっせと看病やらなんやらに世話を焼いてくれたのは
ケイトだった
シンバスも遺憾なく力を発揮していた
と、言うのも…手に取れる理由は移動系の魔道具だからに他ならない
つまり…本来は『どんな力を受けようとも移動系のそれに置き換え停止中でもその効果を損なわないといったもの』なのだ
ケイト『すっげぇ!!反則級!!』
説明書を読んで、食い入るように読み耽り続けていく中
スカイボードと同じく好きな形態に出来ることも知った
だが…ケイトはその形態を変えず、大事に使っていくようだった
時のオカリナ、リンク…それが、ケイトの異なる世界での姿、人生を掛けて紡いできた生き方だから――
その盾のように、盾として持ったまま…移動できるという代物だった
瞬間移動にも等しいもので、全てを透過して望んだ場所へいくらでも無制限に行けるというもので
例の医療効果、自然治癒機能(1357ページ参照)も勿論持っており、結界(1355ページ参照)も変わらず在る
無間の魔石と完全に一つに溶け合っており、全てスケルトンで出来ており、魔力とは言い難い存在そのものと化している
速度だけでは無く、効果効能にまで影響を及ぼしており、
途方も無い強度と影響力を発し続ける根源と化している
一通り試運転をし、結界を刀にして天を斬ることは流石に頭が痛くなり出来なかったが…身を守る術に関しては完全に確立したと言える
修業空間で、『戦う力』を亡くす前の時点のケイトに全力で攻撃してもらい、力の全てを尽くして込めることで受け止めた
エンドレスティアーだけでなく、流宴も化身化も何もかもを使って尽くしてもらい、全ての御業を結集し、同時に解き放った一撃にも耐え抜いた
それを僅か一瞬すらも休む暇すら与えず一兆五千億年掛ける∞年も受け続ける耐久実験もしてみたが、びくともしなかった
それ所か丸ごと取り込んで強度と使い手との親和性が跳ね上がり続けた
これにて――『シンバス』の耐用、性能テストは完了した