第93章 深淵(しんえん)
ケイト『帰ろ?』
その言葉に、皆は挙って家へ足を向けて歩き出した
ケイト『戦う力は亡くなった
でも…いつか必ず、戻ってくる
生きて、必ず…
私一人にやらせたってことは
そういうことだ
あいつだって捧げそうなもんだもの
それをしなかったってことは…原初の神々界では意味が無いし、その願いは叶わないことを意味する
きっと、今、ここで生きている存在で無ければ
対価になり得ないものだってことだ
だから…私にしか出来ない
そういうことなんだと思う
だから対価に渡した
一生ずっと消える訳でも無い
いつか必ず、戻ってくる
だからいい――
待つのには慣れてる
でもあんまり長いと困るなあ←腕組みし頭を捻る
再生で再生出来たら…
って出来ないものだろうけれど
(ぽおっ)←試しに力を使ってみる
あー;
ごめん、やっぱ無理だった
やっぱ、そういうものじゃないもんな
‥……←天を見上げ、溶け込んだ流宴を見つめ、微笑む
気長に待つよ
一生ずっとじゃないんだから
ここに居るんだから―――』
この世全体を見渡し、世界全体を見渡し…その中に溶け込んだ力を
慈しむように微笑み、見やった
案ずる僕等を置き去りにして…
フィン『まったく
(こつん)
どれだけ一人で馬鹿な無茶する気だ』
ケイト『いや、自分じゃないと出来ないんだって』
フィン『なら…
こっちの戦う力を少しずつ受け取ってくれないか?』
ケイト『やだ』きっぱり
『え゛』
ケイト『対価にならん
困る
あいつの帰る場所が無いと…戻ってきた時、困るだろ?』
『…‥……
はあああああああああああ
これだから』頭を振る
ケイト『え?;なんだよ;』困惑じと目
眉を顰めて本気で言い放つそれに
皆は挙って再び嘆息を零し、一斉に言い放った
『ならせめて守らせろ!!』
リヴェリア『お前が戦えないと言うのなら
アスフィ『こちらにも請け負わせて下さい!!
リュー『貴方が戦えないのなら私が戦います!!
アイズ『私が!!戦う!!』
ティオナ『私だって負けられない!!』挙手
ラーニェ『戦うのはいいが守るのが主だからな?』じと目
『当たり前だろうが!!!!』
そう叫ぶや否や、戦う手法へ力の一切が用いられなくなったことへの懸念事項を述べ合い、対策を練りに練った