第93章 深淵(しんえん)
キタルレス『またな――』
その顔は、どこか大人びていた
先程まで駄々をこねていた子が…
やっと、(初代を)喪わないで済む道を切り拓き、喪った――
これまでを共に生き、支え合い、培い、叩き上げてきた力を―――
そうしてでも果たしたい願いの為に――――
無敵化に近い『化身化』は…そうして喪われていった
一部といったものらしいが…
大きくは減弱化されないそうだ
戦う力を削がれたそれは……大きく変わることは無く、小さく言葉を零した
キタルレス『またな…俺と一緒に闘ってきた、相棒よ…』
もう二度と「癌一同」を生まれなくするには、『戦う力』を封印の要とする外無い
長きに渡って悪と戦い続けてきた愛刀ならぬ愛力を手放すことの痛み
だが、それよりも何よりも…恩に報いたかった、喪い続けるそれを、皆無へとしたかった
その願いは…力も、キタルレスも、同じだった
生み出される元も、どちらも、同じ存在だから――
『戦う力』を切り離し、ウレイオスに渡し、永久に「癌一同」を全ての世界に置いて封じるのだった
その際に、交わしたやり取りも…
後になってから、零した言葉も‥
双方併せて、エルの手によってノートに描かれていった
エルが遺したノート…それは後に『神聖譚』『オリジン』と呼ばれ、世界の根幹を司る歴史を遺した『聖典』として扱われた――
キタルレス『『守る力』は潰えてないぞ!!?
復活まで待つさ
気長にな?
にししっ^^
なめんなよ?(にっ)
私は――創世神の親を再生させた神だぞ!?
いくらだって待つさ!
あいつのペースで、きっと戻ってきてくれるから
な?^^』
こくんっ!
力が頷くそれに、にゃははっと笑って返すケイトに
軽く小突くという行為で返して回った
ケイト『いてっ
いででででででっ
いってーなバーロオ!!!』腕で振り払う
フィン(峰さやか)『ほんっと刃にそっくり』溜息じと目
ガレス『いつものことじゃ』
リヴェリア『いつもながらとは言え肝(きも)が冷える
程々にして欲しいのだが』
フィン『無理だね、こればっかりは』
『刃だから(異口同音)
あっはっはっはっはっ^^』
ケイト『は?
何だよそれ(訝し気&じと目)
ったく』ぽりぽり←小突かれた脳天を擦る
テロップ『本日も平和(晴天)なり!』キラン!