第16章 悲鳴
ロキ「はっきり言ってない!
自分の手を汚すだけや。せやからフィンも止めなあかん」
アイズ「!フィンも?」
ロキ「ああ。怒り狂うぐらいに怒っとって殺したい以外何も湧かないとまで言っとったわ。
せやからアイズたんの気持ちもわかる。うちやて同じや。
だから殺すにしてもケイトに干渉してきた時、あるいは非常時にどさくさに紛れてやるしかないんや。
辛いやろうけど耐えてくれ。一番辛いんは…人生や自分への価値観を狂わされたケイトや。
わかるか?」
アイズ「……うん…わかってる…(ぎゅ)
だから、赦せない!」ぎりりっ!
ロキ「うん。うちも同じ思いや。
だから安心し。機会はまだある。少なくとも今ではない。
かと言って殺したり見殺しにしたら同じになるから…
んー、できる限り全力で駆け付けて護ろうとして、それでも間に合わんかったらほくそ笑む程度でええか。
いや、でもケイトが復元で蘇生するわなあ~;
うーん!じゃあこう思おう!
天界に還った後、否が応でも罰を受けさせられる!
生きてれば生きてるほど、そんな奴等やからより罰は重くなるやろ!
罪を罪とも思っとらんねやから!!
せやから手を出してまで殺してやる価値はない!
また人に同じことやって何も思わん奴等なんやから、気付かん内にずっと罪は重くなり続ける!生きる期間が長引けば長引くほどや!!
だから気にせんこっちゃ!
逆に生きる期間を長引かせて、罪を重くする行動ばっか取るそれを放置すること!!
それを復讐としよう!!」ぱん!
アイズ「…そっちの方がまだ…」
ロキ「頷けるやろ!?」
アイズ「うん…でも、何で最初に言ってくれなかったの?」
ロキ「はっはっはっ!最初に言って「はい!」って頷けるわけないやろ?
ちゃんと順序立てて言わな伝わらんやろうからな」
アイズ「…そう。ありがとう、ロキ。少し収まった」
ロキ「ええんやええんや。
ケイトもフィンやアイズたんが殺人犯になったら嫌がるやろうからな!
だから気にせんでええで。はよ寝」
アイズ「…うん。おやすみ」
ロキ「おやすみー!」ぶんぶん←アイズへ向けて手を振る
そうして日付は変わり、残り1日となった。
それをフィンもまた聞かされた後、肩の荷が下りたようだと彼は笑った。
そう思った方が楽だと、今もなお罪を罪とも思わず続けているのだろうから、と――