第16章 悲鳴
ロキ「街の人等は、自分が非道な人間やって自覚もない。
おまけにケイトがどれだけ人道的なのかも理解してへん。理解しようともせんで拒否するだけや。
食わず嫌いと同じ理屈で批判し続けとる。何も知らんで喚き続けとる。
そやからまあ…相手にせんとき。
ああいう類いの人間は、ほっといても地獄に落ちるから。
わざわざ手を汚さんでええ。わかったかー?
逆にそいつ等のせいで自分が地獄に落ちるのは嫌やろ?」
アイズ「今地獄に落とすのは無理なんですか?」じろっ
ロキ「…うーん…無理やな。我慢して。あいつらが死ぬまでの辛抱や」
アイズ「…何で被害者の方が痛い目に遭い続けていないといけないんですか?」
ロキ「それが加害者の正義やからや。
加害者の理屈や価値観で言えば、ケイトが傷付こうが本人等は痛くも痒くもないねん。
理解者がおる。受け入れてくれる仲間がおる。恵まれとる。
そんな状況やから人のそれなんざ知ったこっちゃない。
殺される時にならないと、死んだ後で考えざるをえん状況にならないと、考えようともせんやろうな。
自分のやったことが招くその意味を。
ケイトの方は罪となる行動自体はしてへん。
傷付けるのが怖くて畏れ多くてたまらへん。
そっちの行動の方がよっぽど傷も残さんわ。
せやから悪人やと言われることが、理解しとるうちらにとっては気に食わん。
客観的に見れば、そっちが招いたことやっていうのを盾にして、ええ加減な情報ばらまき続けとる。
人に死にたいとまで思わせてまでや。それを知ってもやめようともせん。
逆に死ね死ね殺すぞのオンパレード…
どっちが悪人かは火を見るより明らかやのに、指摘したらんなことない!!って激昂する。
…あんなひどいことやっとる自覚もない人間なんやから。
自覚を促すのも無理、変えるのも無理、独裁主義で相手の主張は全部無視…
こんな奴等、殺す価値あるか?」
アイズ「………」