第92章 新たな神武(しんぶ)
癌の世界
それを封印する役割もあった為、
中心地に『創世神の神域』を創り、この世が必ずそこに配置されるようにした
癌へ、最後のチャンスを与える為の場でもあるから
そして…先天的な罪を犯した隠れ癌を、いぶり出す為にも……
それも全て――罪を犯していない人々を守る為、全てを守る為
その為に世界を構築し、創りたもうた
あの悲劇を、哀しみを、『繰り返させない』為に―――
だが…それも無駄にされたのだが
それでもなお――罪を犯した人の為に、罪を犯していない人の為に、遍く万物全ての為に…己が身と生を…己の命と自我と記憶を対価にし、皆を守りたもうた…‥初代と2代目で、一緒になって―――己の全ての自由と時間を対価に、皆に自由と時間を与えた
それが――「呪い」の解呪
それに使われる実在化が、『原初の始祖神』の命と自我と記憶
また、『他の人(罪を犯していない人)』が後天的に隠れ癌にさせられ掛けている際にも、同様の対価が必要となる
しかし…同じ罪を持たないからこそ、類似しているが異なる自我と記憶を再生することで、埋め合わせをすることは可能である
ただし、同じ罪を有していながらの場合であれば、この条件には該当せず、解呪させる為に対価とする(解呪と引き換えに消滅する)ことで失ったものは二度と戻らないという造りとなっている
『特例措置(とくれいそち)』と呼ばれるものだ
ケイト『初代は…大丈夫なの?』
初代『あんたと同じ存在なんだから大丈夫!』
ケイト『ぱあっ!)
じゃあ…じゃあ!
寿命は無限に戻る?
再生する?』キラキラ
初代『……………
んー』
ケイト『だって!
寿命が無限から一兆五千億年になってたのって!
その解呪の為でしょう!!?
守る為でしょう!!?
なら!!!
なら!!!!』
初代『再生してくれて…ありがとうね^^』
ケイト『おかあさああああああん!!!!!』
だきいっ!!!!!
ケイトがこの世に居たことで、ケイトに宿っていた初代の分体
それを元に、本体が意識を共有していた
その返答に、ケイトは涙し、勢い良く飛び付いた
それに…
目を丸くし、目の前の変化を見守るばかりだった
思いも寄らなかった情報…それを得てからの変化、状況のそれに関しても込みで…‥
ケイトの寿命も、また同様に戻せるのだと知った…