第92章 新たな神武(しんぶ)
エル「こうして…絆をまた一つ、紡ぐ出来事が増えたのだった(メモメモ)
ほおっ」
メモした後に、パタンとメモ帳を閉じるエルだった…;
のを、僕等のやり取りが終わるまで
ラーニェは僕等を睨み据えたまま、静かに待ち続けていた
そして一通り出し終えたタイミングを見計らい、口を開いた
ラーニェ「収まったならいいが…
その張り倒しで宇宙船が壊れることを視野に入れていたか?」
ぎくり←皆が皆、身を震わせる
ケイト「ひっく、えっぐ;;」ぼろぼろ号泣
ラーニェ「私が糸を張って影響を無力化していなければどうなっていたか…
ちゃんと考えて言っているのか?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
『…‥…済みませんでした;』たらたら滝汗
気付けば、宇宙船の内部全体へ糸を張っていた
それにより、全ての影響(主に振動や衝撃)を無力化してくれていたようだ
精密なものであり、ワープ機能もあるが故かかなり強度があり頑丈なものとは言え、神の力を受けることまで想定されたものではないと今気付いた
ラーニェ「張り倒すのはいいが限度を弁えろ
咄嗟に構えてやっていなかったら皆海の藻屑だったぞ」
ケイト「ありがと、ラーニェ」えっぐひっぐ←抱き着く
なでなで←ラーニェが微笑み掛けて頭を撫でる
ラーニェ「気にするな
身を案じてのものでは無い
先のことを考えて行動するのは『仁(ひと)として当然の義務』だ」
ぐさあっ!!!!
ラーニェ「後々責任を取るのは己自身なのだからな」
耳が痛い…
その想いは皆同じようで、静かにその場で正座したまま聞き入っていた
ラーニェ以外の皆が張り倒しに走っており、誰も宇宙船の安否まで考えてはいなかった
ラーニェ「後…ずっと我慢して限界になるまで溜め込むぐらいならちゃんと発して欲しい
出来るか?」
ケイト「え?えっと…」
ラーニェ「やれ」
ケイト「はい;」たらーり
有無を言わせないそれに、涙と鼻水が引っ込み、冷や汗が額に流れた
ティオナ「新緑(しんりょく)の業火ってどんなだろう?」
ティオネ「新緑(しんりょく)じゃなくて深緑(しんえん)!
あー…多分ケイトみたいなものなんじゃない?
水と火だけじゃなくて全てが火として一体化してるんでしょ?
深緑はケイトの魂の色だし、合致してるんじゃない?」
「頷)その通りです。
ご覧下さい。あれが神域の中心地です」
