第92章 新たな神武(しんぶ)
ケイトがこの世へ生まれる約1年前――
ケイトが神(光そのもの)となった折、
創世神の膜を新たに与えられ、『原初の始祖神』として完成したことにより…
10万年前から3000年前まで
浄化するまでに、罰を与え続けていた訳なのだが…
魂の膜が闇に染まった部位、癌である部分が完全に消えるまで
必要期間が9万7000年だったのだが(罰を与える期間に直結する)
それが…たったの3000年にまで縮まった
それほどに自浄と浄化、実在化が強まったのだと言える
それに伴い――ケイトを先に転生させた後に、主犯格の癌を転生させようという手を取ることとなった
主犯格の癌は変わらず、大事にしてくれる人を大事にしなかった
どれだけ命を捨てて尽くしても…それでもなお、墓も作らず、参らず、供えず、感謝も謝罪もせず、見向きもせず、大事にもせず、正しく認識もせず、幾度と無く繰り返した
過ちを過ちと思わず、罪を罪とも思わず、自戒せず…自らを自壊させ、それに全てを巻き込み、洗脳と毒を齎すと共に自らの罪を植え付けて同化させ、癌へと変異させて自らの罪を手伝わせて加担させ、全てを反逆者へせしめた…同じ罪を抱く、邪な者達全てを――もう一度、創世神の親殺しという罪を…それだけでは飽き足らず、全てを手に掛けて殺して消滅させる罪を、犯し掛ける次元にまで
それが―――「主犯格の癌」だから
自らで、自らの制御も出来ない存在だから
自らが満足するまで走るのを止めることは出来ない生き物だから
『人を見る心』を損なったままでは
どれだけ大事にしても、しているつもりでも必ず掛け違える
掛け違えたボタンのように…
間違いを認識出来ずにいたままでは、正しく直すことすらも、戻すことさえも出来ないのだから
だから…関係を修復することも、されたことを見ることも、恩人を犠牲にさせてしまったことを認識することも、自らでした後始末も自らで出来はしないまま……
成長しないまま、図体だけが大きくなり、図々しい有り様は変わらず、育つことも無いまま…至ってはならない「堕落そのもの」へと至る
そして――自らで自らをそうしている現実さえも認識出来ないまま、大事にしてくれる人のみならず、自らが惚れた人も、大事にしたいと慕って付き従ってくれている全てにまで、全てを消滅へ至らせる極悪癌へ変異させてしまう
