第92章 新たな神武(しんぶ)
宇宙仁が言うに
中心に御座す(おわす)
創世神の神域
名を、〖深縁(しんえん)の業火(ごうか)〗
〖そこ〗を鎮めて欲しいとのことだった
なんでも…
そこの守り人を担当していたのだが、化身化という目醒めに応じ
創世神の神域の中心地である深縁の業火が、逢いたいと願いを爆発させるようになったのだという――
『〖生きているもの、死んでいるもの、全て〗』――
『〖癌一同を除く全て〗』に向けての、世界全体への発信
それを受け取ると共に、抑えと歯止めが利かなくなったのだと
つまり――
テロップ『元凶はラウル!!』キラン!!
ラウル「俺っすか!!?;」ガーン!!←通信
フィン「ンー…強ち間違いとも言い切れない所だが
それが無ければ原初の精霊を浄化し切れなかったのもまた事実だし…
悩ましいね」
ケイト「避けられないんだからしょうがなくない?」
リヴェリア「いずれにせよどこかの弾みで爆発していただろう
そもそも始祖神の生まれ変わりがこの世に来ること自体、1兆5000億年毎にしか土台無理なのだからな」
騒ぐなという方が無理だ
と補足するその声に、誰もが賛同混じりに頷いた
ティオナ「そもそも今回生まれ変わってきたのだって
主犯格の癌が生まれ変わってきたせいでだもんね」
リヴェリア「3度目の爆発は、これまでの比では無いからな」
フィン「どれだけ漂白しても、2度は出来ても
3度目となるとね…」
ケイト「どうしても膜は破れやすくなっちゃうもんね」
ガレス「止むを得んか」嘆息
アイズ「…‥どうしようもないと思う」
事実を列挙し、言い合う僕等に対し
やるせないといった表情のガレスに、アイズは賛同した
事実、魂の膜、つまり創世神の膜は…
癌の闇による爆発を抑え込む効果も併せ持っている
しかし…それは――癌として完成する度、魂全体(中身と膜)が癌の闇となって爆発する度、摩耗し、発揮する効果を減衰させてしまう
1回目は抑え込む力は最大限にまで発揮すると言えよう
だが2回目は最大値から半減する
それに伴い、3回目はどうしても0に近い値を示してしまうというのが実情だ
その為、世界全体に拡がってしまうことにより、世界全体が消滅するという流れとなる
それを防ぐ為にはどうしても…原初の始祖神のこの世への転生が必要不可欠となる