第16章 悲鳴
実はその病室にオッタルもいるのだが、彼は護衛の為、聞いてない振りをしていた。
ちなみに言うと、その時フィンは僅かながらにでもこう思ったのだそうな。
フィン(ケイトもこれぐらい空気を読む能力があったら…)
だがその後、すぐにこう思い直した。
フィン(いや、あったらあれほどに笑い起こされることもないか。
なら…いや、素直に彼女の個性なのだと受け入れよう^^(くす)
それごと彼女に、僕は惚れたのだから)微笑
脳裏によぎる馬鹿みたいなやり取りを思い浮かべ、彼は笑った。
また遠くない未来、そんなやり取りがまたできることを予期して――
ちょうどその頃、アイズはホームに帰ってきており
例のアミッドの伝言の件を伝えた後(その時には既に周知の事実になっていたが)
街の歴史と、それに至るまでの経緯を教わることになった。
そうして2日後、事件は起きる。
アミッド「所で…フィンさん」
フィン「?何だい?」
アミッド「腰巻…何故ケイトさんに預けたままなのですか?
運ばれた当初からずっとかけていますが」
フィン「ああ…
情けないことに、どうにもケイトがいないと落ち着かなくてね。
腰巻だけでも隣に、心はいつも傍に…なんてことを考えてしまったんだ^^;」苦笑&ふふっ
アミッド「…それは心強いでしょうね、ケイトさんも」微笑
フィン「ああ…僕にとっては、希望の一つだ。
何よりも譲れない存在だと言っても過言じゃない。
それぐらいに、落ちてしまった。
彼女という存在に、心から惚れ込んでしまった。
だからこそ…隣に居たいという気持ちを伝えたい。
でも今は伝えられない。声や温もりだけでは届きそうもない。
ならせめて、届くようにと願ってこうするに至ったというわけだ。
強いて言うなら願掛け、さ」片目瞑&微笑&ふっ
アミッド「…野暮な質問をしてしまいすみません」
フィン「いや…お陰でそれぐらい大切な存在なのだと自覚できた。
逆に感謝したいぐらいだ。ありがとう」
アミッド「…変わりましたね」しみじみ
フィン「そうかな?根本的な所は変わってないつもりだけど?」
アミッド「目が優しくなりました。とても穏やかで」
フィン「彼女の、純粋なまでの愛情のお陰だろう^^」くす