第92章 新たな神武(しんぶ)
『精霊王の森の守り人』
それは…4歳までは幼く、神の因子のそれ故か強大過ぎる力に潰されて暴走するばかりだったが、ノアールが何度も止めて助けてくれていた←1024ページ参照
その為に、『片割れ』だけでなく、もう一人の精霊と契約をさせて傍に絶え間無く付かせる理由である
『片割れ』は、まだはっきりと認識出来ないだろうし、困惑させるといけないからと、身を潜めて見守っていたのだが…
あろうことか、その契約した下級精霊がケイトの手に捕まって、最初に見た精霊となってしまっていた
片割れへ膝を付いて全力で何度も頭を下げるが、別段気にはならなかったそうだ
「別にいいのに…」とはラビィ談である
離婚したらケイトだけは貰っていくからなと、実父が実母へ言っていた場面を3歳で目撃した←3783,5016ページ参照
しかし…それでも耐えて来れたのは、『片割れ』が居た恩恵も大きくあった
母も『片割れ』を持っていた為、それにより増していたのもある
だが……それも、その日に大きく変わる
神霊樹の畔(ほとり)で――
小さな池に映ったある場面で―――
ケイト「つーいたっ♪
いっちばーん!^^♪」ぶいっ!!
ラビィ「ずるい!!途中神術使ったわね!!」ぷりぷり
ケイト「へへーん♪
使っちゃダメって言われて無かったもんね~^^」にやにや
ラビィ「もおっ!素の脚力強めないと強くなれないわよ!
今はいいけれど」
ケイト「うっ;気を付ける;
ごめん;(お辞儀)
そうだよね、卑怯かな?;不意打ちみたいなものだし」腕組みし頭を捻る
ラビィ「まあいいわ♪
それより外の景色を楽しみましょう?」
ケイト「うん!^^」大きく頷く
赦す♪って言葉をラビィから頂き、ケイトの顔色がぱあっと一気に明るくなった
そして…『神霊樹の畔にある小さな池』に映る外の光景を見た
その『小さな池』は『水鏡』と呼ばれており、全ての水場と繋がっており
その水を吸って大きくなった木が、何の変哲もない木から神霊樹へと変わり
神霊樹が外の水場の光景を受信し、水場がその向こう側の光景を映すのだという
そこに映った場面は…好奇心で言い付けを破って村の外に出た当時4歳のベル・クラネルが、ゴブリン達に巣穴に引きずり込まれて全身の骨を折られ、親指を千切られて文字通り端から順に食われていっている姿だった
