• テキストサイズ

Unlimited【ダンまち】

第92章 新たな神武(しんぶ)





ケイト「今日はどうしよう?
湖のお散歩?」

ナビィ「それなら神霊樹(しんれいじゅ)の畔(ほとり)でもどう?

あそこの方が風通しもいいし
時折、小さなお池の水が面白いものを見せてくれるらしいわよ?
外の様子とか色々」
ケイト「いいね!行こう!」微笑

それが…運命を大きく分けた


当時(10年前)より更に1年前
「4歳の守り人を小さい今の内に精神崩壊にさせ、操り人形として、都合のいい駒として育てて使い潰そう
もし死んでも蘇る」

そういった意図に伴う「革命(奴隷化)」が、悪しき大人、邪なヒューマン達(人々)によって、行われようとしていた←1015ページ参照
『守り人』が生まれなくなった、本家を主張するパルゥムもまた賛成派然り
邪魔者が居なくなることを望んでのことであった


しかし――それを見越して遣わされた存在が『片割れ』

それが…1年もの長き間、ずっとケイトを守り続けていた
悪しき人、邪な人々は存在を認知出来ず、認識も見ることすらも叶わない

もし人質を取ろうと画策しようものなら不幸が訪れ、縁者の葬式の方が先となる
流石にそこまでするものはおらず、口伝にて戒めをきつくされていたこともあってやる者は一人もいなかった
歴史上には数名いたそうだ



要は、『片割れ』は――『守り人』の防波堤(荒事回避)の役割を担っていたのである



その影響を受けていたのは…ケイトだけでは無い

暴虐の限りを尽くし続けていた、DV実父からの肉体的精神的性的虐待
それから守られていた母と姉は、実に仲が良く、幸せに過ごせていた


守られた理由は…片割れだけでは無く、しきたりもあった

十字架に選ばれた場合、浄化の関係上3歳までは精霊王の森から出れず、そこで育てられるしきたりとなっている←2353ページ参照
そこに母が姉の手を引いて入ることを精霊王と結界によって許され、共に過ごせたのだった

幸福な、満たされた時間を共に過ごせていた


生まれた日の時刻から24時間
1日を十字架と共に過ごし、15歳になって渡されるまで現守り人である者、つまり母が持ち続ける
そういう決まりだった

しかし…母が10歳の頃に父に殺されて亡くなった為、十字架に触れるのがケイトしかいなくなったことで、自らが持つしか無かった←1039ページ参照



その日は…そんな平穏な時間が終わる日だった


/ 5980ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp