第92章 新たな神武(しんぶ)
願う心、想いが強ければ強いほど
それは事象を呼び起こし、その力は増す
罪が重ければ重いほど
発した闇の齎す力が増し、自らを保護する力となる
魂の膜は、光の膜…それが無い状態であってもなお……魂として生かそうとし続けてしまう
地獄落ち、地獄の底を踏み抜いた存在である癌…それらが、生き汚いと称される根幹だ
自分が生き残る為に、生き延びる為に、形振り(なりふり)構わず振舞う
それが、自らだけでなく全てに対して…
自分を善と認識させる為に、猛威を発した
その結果…あの事態(創世神を除く全消滅全殺し)へと転じた
自らに都合のいい認識しか出来ず、自らの犯した罪も過ちも非も全て自覚出来ず、それらの行為が正当化だと自覚も出来ないままに、いいこと(英雄的行動、人助け)をしていると全てを歪め、周りに迷惑を掛けることになる自覚も出来無いままに衝動的に行動に起こしてしまう、どんな行動をしても非を認められない、人を見れない、暴走を繰り返すという…歪な事象へと繋がってしまう…‥自業自得、因果応報そのものだ
ケイト『実在化なんか…もうしたくない
いつまで削ればいいの?』
滂沱の涙を目に堪え、必死に零すまいとしている
だが…
しゃっくりと嗚咽ばかりが
場に残り続けていた……
ケイト『なんで…
大事にしてくれない人を、
大事だって思わないといけないの……?』
零れ落ちる涙を止め切れず
今度こそ…零れ落ちてゆく……
体が熱く発光してゆく………
白いが…
鈍く…
薄暗い…
涙と共に……涙の中に光が圧縮しているかのように………
ケイト『もういやだ…………
やだよぉっ……
消さないでよ……
消えないでよ………
大事な記憶…想い出……返してよっっっ
返して……
いやだあああああああああああああああああああああああああ』
瞑目し
その場に前のめりに、膝を付いて崩れ落ちて
そのまま突っ伏して咽び泣き、慟哭を上げる
ケイト『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
最後に顔を上げて
瞑目したまま咆哮を上げるかのように泣き叫ぶ
止め処なく溢れる涙は止まらず、頬を腫らし、瞼を腫らし…それでも尚、止まる術も無く、溢れ出しては零れ落ちてゆくばかりだった……