第16章 悲鳴
その頃、ホームでは街のそれを伝え終えた後で…
リヴェリア「フィン…どうしても赦せないか?」
フィン「なら逆に聞くけど…
記憶を失うまで人を傷付け追い込んでおいて、その上で平気でいられる人間を、
未だに悪いのはケイトだと言い張り続ける人間を、どうやっていい部分を見出せと言うんだい?^^」
リヴェリア「……」
フィン「非道な行いをしておいて悪いとも思わない。一つの傷に対する仕返しにしてはやり過ぎだとも思わない。
言及するのは常にそんな扱いを取り続けた自らではなく、自らには決して向けさせず、他者であるケイトだけだ。
そんな輩をどうして赦していられる?彼女の心所か感情まで死ぬまで追い込んだのはどこのどいつだ?」←実話
真剣な表情を浮かべつつ、彼は言葉を紡ぎ続けた。
フィン「正直、今もこの怒りと殺意を抑えられているのが不思議なぐらいだ(震&苦笑)
彼女が死ぬことがあれば有無も言わさず殺しに行くだろう。
はっきり言って、今も殺したくて堪らない。団長という立場が故に奇跡的に抑えれているだけなんだろう。
あんな自らの都合だけを見、通し、『一人だけ』を一方的に殺し続けて何も感じない人格を有する者しかいない街なんてない方がいい」
リヴェリア「…怒りは尤もだが、その行為は
フィン「ああ、わかってる。
ちゃんと自制するよ。妻もいる身だしね^^;」
リヴェリア「…辛いだろうが、頑張ってくれ」
フィン「ああ。今後、もう二度とあの街を思い出すことはしないだろう。
立ち入りも有事以外は決してさせない。二度とさせないつもりだ。
彼女により強力な後ろ盾ができて、都合が悪くなった途端に同盟を結ぼうと使者を送るような輩とは、『僕が』今後二度と会わさない」←164,165ページ参照
街の人が今も近くにいるかのように、睨視を思わせる鋭い眼差しをした彼は語った。
街の人達に対する苛立ちを隠そうともしないまま。
街の使者と再会させたあの時に決めたことを。心から思ったことを…
フィン「それに僕自身、最も忘れたい事柄でもある。
これからは彼等彼女等への殺意も含めて、無関心かつ不干渉に変えて貫くことにするよ。
で、蒸し返した理由は?」
リヴェリア「いや…重ね重ね釘を刺しておこうと思ってな。
それとアミッドからの伝言だ。
「ケイトが心肺停止状態に陥らなくなった」と」