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Unlimited【ダンまち】

第16章 悲鳴





ロキ「うちとしてもそれは流石になあ。

っつうか…自ら関わって傷付けようとしてこおへん時点で、何でケイトの人格や想いを悟らんねや?
傷付けたくないって気持ち、十分伝わってくるやろ。

ガンジー並の無抵抗主義やで?その無抵抗が優しさの表れやって気付かんのか?」

フィン「それでも相手は棚上げし続けていただろう?
おまけに正当化までしてくるあたり、ケイトとは全く違うタイプだ」

リヴェリア「言った所で無駄だ。やめておけ。

あんな輩に関わっては時間を損するだけ、相手にするだけで徒労に終わる。
あのフィンと街の使いの話し合いの時点で、その価値観の相違はわかり切っているはずだ。

まともに取り合うべきではない。ひいてはその輩のことを話すのもな」

フィン「そうだね…耳が痛いよ(肩すくめ&両目瞑)
話した所で、彼女への加害者に対する怒りが蒸し返されるだけだ。

あんな街の話は、もうこれっきりにしたいね」

手を組んだまま目を伏せながら肩をすくめ、フィンはもうこりごりだとばかりにしみじみと溜息を零した。


ガレス「で、例の『扉』の『鍵』はまだ見つかっとらんか」

フィン「ああ。まだ見つかってはいない。
それを持っているだけで、闇派閥だという証拠となる。

『扉』がケイトの力で全て残らず失われた今では、もう役に立たないものだ。
捨ててしまった可能性も否めないが、イシュタル・ファミリアが持つ可能性は0ではない」

リヴェリア「無きにしも非ずといった感じか?」

フィン「ああ。少なくとも1つは持っているはずだ。

僕の予測が正しければね」

ロキ「協力者、か」


リヴェリア「イシュタルの他にもタナトス、イケロス、ダイダロスの末裔…
ダイダロスの末裔以外は全て神の名だ」

フィン「ギルドに捜査してもらっているがろくに情報が出てこない。
恐らく、悲鳴を上げたのは人造迷宮を作っていた者か、ダイダロスの末裔か、それともあの呪道具(カースウェポン)を作っていた者か…」

ガレス「はっきり言って手掛かりが足りとらんの」

ロキ「暗中模索状態、やな」

壁を背に呟くリヴェリア、両肘を机に乗せたまま組んだ両手を口元に近付け考え込むフィン、顎髭を撫でながら呟くガレスに対し、ロキはそう締め括った。


時を同じくして、オラリオの南に位置する焰蜂亭(ひばちてい)では乱闘騒ぎが勃発していた。


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