第16章 悲鳴
フィン「!…驚いたな。
まさか君の口からそんな言葉が出るとは思わなかったよ」
リヴェリア「先を見据えてのことだ。
ああいった類の人間は死ぬまで変わらん。放置すべきだ、としか私には言えん。
殺したとしても自分の非を認めることも変わることもしないだろうし、あまつさえ殺人罪だと喚く輩だろう。
人にはそういうことをしておいて、な。
そんな輩に割く時間があるなら、せめてケイトとその子供に寄り添ってやれ。
あんな奴等の為にわざわざ手を汚すこともない。ましてや汚す価値もない程度の低い人間だ。
あれほど派手にやり続けておいて、それでもなお自分は悪くないと白を切る程なのだからな」目を伏せ&溜息
フィン「…なるほどね。お見逸れするよ」くす
リヴェリア「負った傷とは釣り合わないほどの目に遭わせている…
そのことにも気付かんほどの奴だ。
何かと理由を付けて傷付けその行いを正当化している輩よりも
必要以上に傷を拡げまいと傷付けまいと抵抗もせず『不干渉』という手段を貫き続けてきた彼女の方が是だ。
その彼女の優しさによって余計に強く出られる上に付け上がられていたことから、そういった類の危険性もある分、危うくもあるのだがな」
フィン「そうだね。
…ケイトが生還したら、この計画は取りやめにするよ。
彼女に怒られる^^」くす
リヴェリア「ああ。そうしておけ。
『ああいった輩を潰すよりも、今の彼女を護ってやって欲しい』というのが私の本音だ」
フィン「…ご忠告、痛み入るよ」ふっ
リヴェリア「所で、ケイトの様子はどうだ?」
フィン「…」
リヴェリア「変わらずか?」
フィン「正確に言うと…抱え込まれた初日よりは心肺停止の数は減りつつある。
改善の方向には向かっているが、まだ時間がかかるようだ」
リヴェリア「…そうか。ならいい。よかった…本当によかった」
フィン「ここで死なれれば目覚めも悪いしね」
ロキ「それで復讐計画か」
フィン「ああ。どうにも赦せなくてね。
今も傷を与え続けて当然と言い張る彼等が」ぎりっ
リヴェリア「私としてもそこには同意する。
が、やっていいことではないだろう。
いずれ子を持つ身としては控えるべきだ」
フィン「そうだね。
流石にあれと同類にはなりたくはない、かな」肩すくめ&溜息
そう愚痴を零す中、例の街の話は終わりを迎えた。